2004年01月27日(火) |
QED 龍馬暗殺/高田崇史 |
++ 人の住んでいる家は四軒しかない、高知の山奥にある蝶ヶ谷村。嵐による土砂崩れで、麓への一本道が塞がれる中、殺人と自殺の連鎖が住人の村人たちを襲う。村を訪れていた崇、奈々たちは否応なく事件に巻き込まれるが、その最中、龍馬暗殺の黒幕を決定づける手紙の存在を知り……。(裏表紙より抜粋) ++ QEDシリーズ第7弾。久しぶりの硬い文章に、死苦八苦でした。 そして土佐弁「おまんら」「〜しちゅう」「〜ぜよ」にうはうはでした。土佐弁の響きが好きです。 日本史好きさんにお馴染みかもしれないこの謎、龍馬暗殺。この暗殺の犯人および黒幕が誰かということは現在、歴史の闇の中。崇さんの結論としては黒幕は薩摩藩(≒西郷隆盛)のようですね。私は、「新撰組ではない」とだけ妄信していたので、その結論にほっ。 さて、事件の方ですが、高田氏のパタンにはまりますよ。この方を読むといつも、意識下の作意を感じます。ひとって怖いな、と。 ちょうど映画や大河の影響なのか、幕末ものがよく目につきます。でも、これを読むと(歴史薀蓄が多いだけにうんざりするかもしれませんが)ちょっと幕末の見方は変わるかもしれません。 幕末の志士全てが、私利私欲で動いていたわけではないと信じたいですけど、人間ですからね、そんなに綺麗事だけでは済まされないってことを突きつけられました。
「(略)純粋無垢な思想が、美や正義と結びつくことは、歴史上を見渡しても意外なほどに少ないんじゃないかね。(略)」
高田崇史:QED 龍馬暗殺,p.324,講談社.
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