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2003年09月21日(日)   波のうえの魔術師/石田衣良

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あの銀行を撃ち落とせ!謎の老投資家が選んだ復讐のパートナーはフリーターの<おれ>だった。マーケットのAtoZを叩きこまれた青年と老人が挑むのは、預金量第三位の大都市銀行。知力の限りを尽くした「秋のディール」のゆくえは……。(裏表紙より抜粋)
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2年位前にドラマ化された作品。
私はドラマが始まる前から面白そうだな、と思っていて、観始めたら原作が石田氏だってことがわかって、ますます夢中になって欠かさずにチェック。主人公は長瀬くん、老投資家小塚役は植木等さんでした。
で、文庫化されるのを待って、即購入。
読んでびっくり。ドラマとはかなり印象が違います。ドラマでは実在する銀行名は出てこなかった(と思う)のですが、原作には山一とか長銀とかがんがん出てきます。もちろん破綻したことも。さらに、ドラマとはラストが120度くらい違います。
ドラマを観終わったとき以上に、お金が怖くなりました。ディーラーがクリックひとつで大金を動かす世界は、異界でもなんでもなく、私の生活の同一直線状にあるわけで…。すごいねー。
株とか市場とか融資とか、さすが経済学部出身ってくらい、連出しますけど、そこは石田氏。青春ものには違いないのです。



火のついた心でおれは考えていた。この数字を打ち倒す。奈落の底までたたき落とす。(略)
数よ、泣き叫ぶがいい。


石田衣良:波のうえの魔術師,p.238-239,文芸春秋.
















ゆそか