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2003年06月14日(土)   この闇と光/服部まゆみ


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失脚した父王とともに、小さな別荘に幽閉されている盲目の姫君・レイア。優しい父と侍女のダフネ、そして父が語り聞かせてくれる美しい物語だけが、レイアの世界の全てだった。シルクのドレスや季節ごとの花々に囲まれた、満ち足りた毎日。しかしレイアが成長するにつれて、完璧だったはずの世界が少しずつ歪んでいく――。(裏表紙より抜粋)
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初の服部まゆみ本。
読み始めは、レイアのおかれている環境が把握しきれなくて、この本最後までいけるかな…とも思いかけたのですが、全然そんなことありませんでした。
はまりきれないけど、止められないまま中盤まで読んで、ガクンと堕ちました。うわ〜やばいよ、これってかんじ。
微妙なレイアと父王の関係に漂う退廃的なエロティシズムが…。むしろ、
離宮から離れて、15歳になって再開したときの関係の方が、こう…どきどきしますね。


朧とはいえ、形や色を知ったままで過ごしたあまりに長い闇は、美への憧れを増幅し続け、あらゆるものを美化していた。すべては言葉だった。すべてはイメージだった。(略)闇の中に在って、世界は何と美しく輝いていたことだろう!


服部まゆみ:この闇と光,p.250,角川書店.






ゆそか