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2003年03月05日(水)   ぼくはここにいる/ユール


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小説家への夢を追いながら、フリーターと無職を繰り返している基晴に、飽きずに付き合ってくれる友人・惠。惠は基晴と同じく男なのだが、基晴に対して恋愛感情を抱いている。基晴はそれを知っていて、でも友人以上の付き合いはしない。そんな微妙な関係がもたらす緊張感が好きだった。このまま時が過ぎていくのだと、信じて疑わなかったのに――。(表紙折返しより)
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コバルトノベル大賞佳作と読者大賞のW受賞作。
いい、いい、という噂は聞いていたのですが、本当によかったです。
言葉では現せない基晴と惠の関係。基晴にとっての惠がいつでも傍らで笑っていてくれる存在ということも、惠にとっての基晴がお守り石のような存在であるということも、すべてが切なくて、きれいというか…。こういう愛のかたちもありだな、と思いました。
惠から基晴への手紙で、不覚にも涙です。



今日も、明日も、これからもずっと、君に逢えるのが楽しみです。

なら俺は、いつかまた逢える事を楽しみにしよう。眠っている間、こっそり抱き締められる事も。
今度は俺が抱き締める事も。


ユール:ぼくはここにいる,pp.84-85,集英社.






ゆそか