2003年02月02日(日) |
QED 竹取伝説/高田崇史 |
あいかわらずこのシリーズはすごいですね。 好みが分かれるシリーズだと思うのですが、私は断然好き。おもしろいというよりも、“すごい”んです。高田氏の考察力というか、話の展開力というか…すごいです。 奥多摩のふたつの村に伝えられる笹姫様の祟り。ここでは竹が光り、それを見た者がハンドルをとられ事故死する。そして笹姫の手毬唄になぞらえたような殺人事件がおきる。 笹姫の祟りは本当にあるのか。笹姫とかぐや姫に共通するものは。笹姫と竹取物語の謎に迫る。 竹取物語の作者が×××で、かぐや姫モデルが××××、そんなこと考えたこともありませんでした。 海外の童話もですけど、童話やお伽噺っていうのは、その作品の作られた時代を反映しているもの。 つまり物語を深読みすることで、その時代がみえてくるわけです。でも、それなりの知識がないとできないわけですが…。 それにしても、このシリーズ、やたらカクテルが出てくるので、おいしいカクテルが飲みたくなりますね。
「(略)一つの価値観からだけ世界を見ていると、真実は闇の中に隠れてしまう――(中略)というよりも、価値観の数だけ世界が存在するということでしょうか(後略)」
高田崇史:QED 竹取伝説,p.276-277,講談社.
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