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2003年01月12日(日)   石ノ目/乙一


4つのホラー短編、「石ノ目」「はじめ」「BLUE」「平面いぬ。」が収録されています。
どれもホラーだけど切ない。
その目で人と目が合ってしまうと、その人を石に変えてしまう石ノ目。
耕平と淳男の想像が生み出した女の子はじめ。
青い残り布で作られたできそこないの人形BLUE。
左上腕に掘られた刺青の犬ポッキー。
いちばん好きな話は「はじめ」かな。
実体がなくても、他の人から見えなくても、誰かにとってだけ存在している、見えているってものが、実はけっこうあるんじゃないかな、と思いました。
たとえば、亡くなったひととかも。
誰かの想い出の中ではずっと存在しているし、いつか目に見えることがあったとしても、そんなに不思議なことではないのかもしれません。



私は急に気付いた。
なぜ八年間もはじめが消えなかったのか。それは、消えたくなかったからなんだ。(「はじめ」)


乙一:石ノ目,p.152,集英社.






ゆそか