2002年10月14日(月) |
双樹に赤 鴉の暗 薬屋探偵妖綺談/高里椎奈 |
薬屋さんシリーズ第9段。 何をやってもうまくいかないサラリーマン唐沢のもとに現れたふたりの子鬼。ある事件の結末に疑問を感じ、真相を知ろうと動く高遠。座木の硝子細工を壊してしまい、どうにかしようとする秋とリベザル。 変わってしまうものもある、変わらないものもある。自分は?自分の中にあるものは? 私、あらすじ書くの下手で苦手なんですけど、このシリーズあらすじ書くのが難しい。わけわかりませんね。何書いても、ネタバレしそうだし。 ラストの感じで、もしやこれでこのシリーズ終わり?とも思ってしまったんですけど、どうなんでしょう。 好みの分かれるシリーズだとは思いますけど、私は好きなんですよね。ぼやっとして、はっきりと書き切らない、ご想像にお任せってかんじの雰囲気が。 このお話、時間軸の関係が難しいですけど、これって結局、過去と現実が交差しているんですよね。でもって、唐沢さんのお姉さんが高遠のお母さんてことなんですよね。で、その間も、やっぱり秋は変わらず秋なわけで。 変わるものと、変わらないもの、どちらが善いか悪いかってことではないんですよね、きっと。でもちょっと痛い話でした。
「正義って本来は自分の中に持ち続ける物で、大切なのは自分が己の正義を裏切らないことじゃないのかな」
高里椎奈:双樹に赤 鴉の暗 薬屋探偵妖綺談,p.234,講談社.
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