妄想暴走オタク日記
康平さんがピアノを奏でる時、まるで泣いているようだ、と思う。
あの人の泣き顔を見たことがあるわけじゃないけれど。男はそうそうに泣くもんじゃないし、出会ってたったの2年、それだけの間で何が分かるのかとも思う。 けれど、康平さんは泣くことがない。 そう思わせる生き方をしているように見えた。大学という限られた空間内で、康平さんはただ笑って、その顔は崩れることがなかった。泣き顔を喚起させない。康平さんは、泣くことを拒否しているようにも思えた。 「泣けばええのに」 そうすれば楽になれるのに、と言ったら鍵盤から指を離した康平さんは僅かに笑った。柔らかい音色は止まって、部室には静かな闇が訪れる。こんな辺鄙な時間帯にここを訪れる部員はいなくて、だからこそ康平さんは、そっとピアノの蓋を開く。 「何か辛いことがあるんでしょう?一人で思い悩んで、他人のちょっとした言葉が過敏に身に染みたりするんでしょう?吐き出してしまえば楽になれるのに。泣いてしまえば、楽になれるのに」 物書きという性分からか、康平さんは、何事にも先回りして考えすぎるような気がする。他人の言葉の裏を読んで、展開の裏を見据えて、先先のことまで考えて、結果苦しいのは康平さん自身なのに。それでいて本音を見せない、心を開かない。じゃあ康平さんの中に溜まったものはどこで浄化されるというんだろう?
だから俺は、康平さんに泣いて欲しかったのかも知れない。
涙に混ぜて消してしまえるものでないことは分かっていても。俺が、見たくないのかも知れない。そんな我が侭なエゴでそうして欲しいと思うのかも知れない。 「祐樹は、優しいな」 けれど康平さんは、言ってまた笑った。見ているそばから笑い顔が揺れて、あ、と思う間に康平さんの体が傾く。ことり、と胸のあたりに生暖かい感触がして、それが康平さんの頭だと気がついた頃には、その肩が静かに震え出していた。 静かに、ゆっくりと。康平さんの涙が何かを洗い流してくれたらいいと思う。それが俺の知らない康平さんの内なる塊なら尚更、俺のシャツを濡らして、何事もなかったように消えていけばいいと思った。
▼22:40
弱ってる康平を書いてみたいなと思ったものの、考えていた時は決してこんな展開ではなかった…筈なのになんだかただ、今の自分を反映しただけな感じになって余計に気恥ずかしい的なね。表記タイトルは、VDものはすっかりスルーしてしまったからというのと(でもたぶん去年も言ったけどVDに横雛はそぐわないと思う笑)、チョコレート的な存在になりたい祐樹というのを賭けて(ぇ)。わたしは寒い時や疲れている時に無性にチョコレートが食べたくなるので、そういう感じかなっていう。そうやって癒しになれたらなっていう。
残念ながらわたしにはチョコレート的に胸を貸してくれる祐樹は見当たらないので、わたしはわたしで頑張ります(笑)
弱っている人を書きたい、と思った時に雛でもまぁよかったんですけど、よりその姿を想像しにくい、康平を考えてみたんですよねー。で、そんな弱ってる康平の側にいるのは誰だろうって、真澄や研二より、やっぱり祐樹がまず頭に浮かんで。というより真澄じゃダメだと思っちゃったんだよなぁ。それは何なのかなぁ、スタンスがまるで違うのかも知れないけど。とにかくただ一人祐樹なら、あるいは、と思わせてくれる人です。これ、このまえ東と語ってて「要するに馬神なんだよ」って言って二人でゲンナリしたんだけど(笑)。要するに馬神なんです。久保を知らない馬堀だから、あえて土足で踏み込むことも出来る。腫れ物に触れるようにではなく、生身の人間として、神谷に接したであろうただ一人の人。祐樹はそれほどあからさまに、そうはしないと思うけど。それでも祐樹にしか触れられない個所っていうのはあるんじゃないかなぁ。まぁ、夢はかなり見てますけども。
あ、馬神って分かりますかね?馬堀と神谷。昔取った杵柄なんですが(笑)某水曜発売少年雑誌に連載されていたサッカー漫画です。大好きな組み合わせでした。
涙を美しく書いてみたいなぁっていうのがあるんですが、どうなのかなぁ? なかなかうまくは書けませんよね。そして偽りで泣けそうな雛ちゃんには、一度内の前でウソ泣きをしてみて欲しいと思いました、通信を聞いていて(内、夢見がちすぎ)。コロリと騙せそうだけど、簡単すぎて反対に負けた感がありそうじゃないですか(笑)?内ってなんだかそんな子じゃないかと思うんですけども。それが彼のスター適性だったりしないかなとか、いやはや通信、面白いです。
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