A Will
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2013年07月25日(木)




郵さんが風邪を引いた。

LINEのスタンプが深刻さを壊して、
可愛くて、郵さんらしいな、と思う。


白熊のアイスが食べたいと言うから、
スーパーで買って行ったら、
郵さんはベッドで寝ていた。


長くて細い手足を器用に折り畳んで、
眼鏡をしたまま寝ていたから、
わたしを待っていたのだと、すぐに解った。


郵さんの顔が好きだ。
カリカリ細い手足も。
笑うと出来る皺も。
柔らかい癖毛も。

優しくて、けれど冷たくて、
わたしを好きでいてくれて、
けど、放っておいてくれて、

きっと、こんな素敵な人、他にいない。



郵さんは、目を覚まして、
身体中が痛いと言いながら、白熊アイスを食べた。

わたしは郵さんにぴったりくっついて、
郵さんがテンポ良く、
氷菓を掬って口に運ぶのを見ていた。


熱っぽい、と言っていた割りに、
郵さんはあんまり熱くなくて、わたしの手のほうが、ほかほかしていた気がする。



ごめんね、と郵さんは言って、また寝た。



こんな人、他にいない。


たとえば、わたしは彼のことが好きだけれど、
彼が郵さんより素敵だなんて思ったことはない。




寝ている郵さんの手を握った。
夢うつつで、その手を握り返される。


明日、郵さんの風邪が治りますように。



まつり |MAIL

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