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【沙亜子はいまだ、水の中】





◆ たった独りの冬が。山にはあります。



走り続けていると
仲間が、知り合いが増えます

増え続けます



走る世界は
圧倒的に男性が多いので
男性の知人は日に日に増えて行ってる感じ


顔と名前が一致しなくなってきて
やがて
結局独りがいいやと落ち着きます



昨日はあまり人の入らない山を走りに行きました



山がいいのは

独りっきりを味わえるから



仲間が好きと言いながら
独りになると
やっと自分に帰れる気がする



それは小さな罪悪感



知り合いが増えすぎて
すべての人に不快感を与えてはいけない気がして
常識人の振りをしました



特定の
特別に
心を注ぎたい人がいます



でも


周囲に知られてはいけないんです




ばれないように
ばれないように気を使いすぎて




人を避け始めています





また




たった独りの冬が来ます









2008年12月07日(日)






   


   

      は




     ま

  


 

の        
 
   




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