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【沙亜子はいまだ、水の中】





◆ 息をひそめ時を待ち、そして我が家へ



走らなくなった日々は、とても寒い。
季節はこんなにも流れていたんだと気が付く。
本当にいつも自然と走っていたから。
寒さなんて知らなかった。
何だかしょっちゅう汗かいてた。
足を引きずりながら。
遠い我が家に帰る。
寒かった。
ちっとも家までの距離が縮まらなかった。
もう、家に着かないんじゃないかと思った。
歩き続ければそのうち着くさと、自分に言い聞かせながら。
時間は流れる。
何があっても。
全ての事柄を流し尽くしながら。
人の有り様さえ変え尽くしてしまうエネルギーをもって。
息をひそめる。
時を見つめる




2003年12月09日(火)






   


   

      は




     ま

  


 

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