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【沙亜子はいまだ、水の中】





◆ 誰も知らない甘美な秘密に包まれる、蒼の日に。



ああ。
やってしまいましたね、って感じの今月。





よりにもよって。
JUDEのフリーライブの日に。




交通事故だよ。






さすがにへこんむ。






加害者側の保険屋が気に入らないこと言うもんだから。
いまだに話し合いはしてないけど。
それでも、落ち込むことは、ない。



なんだか、な。
元気が出た。
変な話だけど。
エネルギーがフツフツフツフツ。


私を復活させた。




何か起こると、自分の知らない自分が沸き起こる。
その瞬間が心地いい。


小さなことでも、面倒なことでも。
乗り越える瞬間が爽快。





小さく、地味な人生だけど。
普段考えないようにしている、「生きてる」ってこと。
実感する。


ナンチャッテ、、、だな。




結構、たまにはいい経験。






◆◆◆◆◆◆◆
ハーフマラソン、初参加した。




練習の時のタイムより、15分も速かった。
やった。
やった。
やった。



なんかなあ。
ホント、この瞬間のために頑張ったんだよなあ、って。
感慨深いモンを感じちゃった。


8、9月、それぞれ月間走行距離300〜400km、走破。




体調不良と事故とため。
走らなかったのは、結局5日間。
その後もレース前は押さえ気味の練習だったけど。







レースの最後5kmで猛ダッシュ。
その時。
ランナーの野口みずきの台詞を何度も思い出した。




彼女が大会で、途中呼吸が出来なくなった時。
「どうなってもいい」
「死んでもいい」
と、走りきることをやめなかったというエピソード。



そんな台詞は今時、少女漫画の中だけかと思ってた。
日常の、どんな時に使う言葉なのかと思ってた。





死ぬ気で頑張るといっても。
死ぬ気で努力してない人には、出来ないことだとはわかっているけど。
最後5kmでやってみた。
野口みずきの万分の一のさらに小さな努力だけど。


ゴールを倒れこむくらいに頑張ってみたいなあ、って。








何人も抜いた。
嘘とか見栄でなく、何十人も抜けた。
最後の最後まで。
ゴールの数メートル前まで。


最後5kmを猛ダッシュしているその目の前に。
幻想のように。
妄想のように。


新陳代謝を終えて。
ぴっかぴかになった自分を見つけた。
本当に見える気がしたのだ。
ああ。
ラーンナーズハイ?








もう。
その日は、くすくす笑えてしょうがなかった。










次の日。
いつもの日常が始まる。
でも、誰も私の週末を知らない。
こんな大きな秘密を知らない。





そう思うと。
よけいにくすくすくすくす、笑いがこみ上げてくる。













2003年10月19日(日)






   


   

      は




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の        
 
   




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