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りょうちんのひとりごと
りょうちん
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2015年10月30日(金)
Vol.834 家を建てる

おはようございます。りょうちんです。

夏草がうっそうと茂り荒れ放題だった我が家の向かい側に、ある朝突然ショベルカーが入り込み土が掘り返され始めた。俺がこの家に引っ越してきてから15年以上もずっと、区画整理だけされてほったらかしにされていた土地だったのに、である。どうやらやっと土地の買い手が見つかり、建売住宅が建てられるらしい。その日から毎日、家を建てる工事が進められた。
一歩家を出ると必然的に工事風景が目に入ってくるのだが、いつも職人さんたちがまさに職人芸のごとく作業していて、これがまたとてもおもしろい。ある日は足場を組む作業をしていたのだが、ひとりの職人さんが下から鉄パイプを投げ、上にいるもうひとりの職人さんがそれを上手にキャッチしてその鉄パイプを組み立て、あっという間に下から順に足場が組まれていった。まるでサーカスみたいで見ていて飽きない。また別の日は高い屋根の上で職人さんが作業をしていて、気づけばただぽかんと見上げている俺がいた。ひとつ間違えれば事故になりかねない仕事ぶりは、無駄なく見事で本当にかっこ良く見える。不動産にはまったく興味ない俺ではあるが、家を建てる仕事ってすごいことなんだなと改めて思う。
俺が中学生の時、実家の建て替えをした。あの時も毎日職人さんが我が家に来て家を建てるために工事していたのだが、作業の邪魔になるからあまり近づかないよう父から言われていた。あの時、今と同じくらい興味を持ったなら。単純な俺は、将来職人さんになりたいと絶対に思っていただろうと容易に想像がつく。
雨の日以外は毎朝早くから、家を建てる工事の音が聞こえる。何をどうするとそんな音が出るのかはわからないが、リズミカルに響く工事の音を騒音だと感じることなどまったくなく、意外にもまだ布団の中にいる俺には心地よく聞こえてくる。職人さん同士で話す会話に耳を傾けると、日本語にまじってタイかどこかの東南アジア系の言葉が話されていた。
2か月以上に渡る工事がほぼ終わり、今どきのおしゃれな家が3軒並んで作られた。まだ買い手は見つかっていないようだが、どんな家族がこの家に越してくるのか。今度はそれが楽しみだ。