ちちやす日記   こんげつぶんきのうあしたかこぶん


2002年02月03日(日) 暦の上では明日から春
就職が決まって、お世話になった方に報告と礼状をしたためたのが、@年前の今ごろだった。というのは、立春の前の日だった記憶があるからだ。
かように、どうでもいいことを、いつまでもストックしておく俺の脳。タイトルも忘れてしまった行進曲の、対旋律と自分のパートだけ覚えているとか。そのメロディもタイトルも、現在となっては確認のしようがない(ネット検索であやふやなメロディについて調べる術はあるのだろうか?)。同じ部に在席していた先輩に歌ってみせればいいのだが、音痴を自認する自分が原曲を再現できるか心もとない。音感に問題ありげだったからパーカッション、しかもティンパニではなくリズムセクションのみ、に配置されたのであろう、顧問の先生の目利きは正しかった。

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 朝から雨。えらく寒い。厚着しても手足が冷えて、熱いお茶を飲み飲み暮らす。

 やっと髪を切りにゆく。新しくできた店に電話したら、受話器でも落っことしたのだろうか、いきなり「ブチ」っと通話が途切れた。弱っているので些細なことでも凹む。ああだめだ。もう一度電話なんかできない。
 先月インターン(たぶん)に担当されて散々で、もう行くのやめようかと思った、いつもの店に電話する。ちょうど空いているという返事に心底ほっとして、傘さして家を出る。
 さいわいベテランの人が切ってくれて、安心してまかせることができた。髪の毛を人にいじってもらうのは気持ちいい。ヒーリングだとかは言わない、動物がノミをとったり毛繕いするのと、根は同じ快感なんだろう。おまかせで、いつもより短めに切ってくださいと言ったら、みごとなベリーショート。わははは。面白いからいいや。

 書き忘れていたこと。金曜から新しい眼鏡に変えた。矯正用のを作ってあったのであるが、小さいフレームだと視界に枠が見えてイヤだったり、メタルよりセルフレームが好きなので、古いのをかけていたのだった。
 レンズに慣れるまで少し目眩がする、視界の端が歪む。だけど、疲れ方は全然ちがう。やはり悪化していたのだな。以前のフレームにも、新しいレンズを入れておくことを考えたほうが良いだろう。スペアの眼鏡がいざというとき役に立たなければ何にもならない。

 ひさしぶりの店で鶏の照焼き。ニンニクしょうゆに漬け込んで焼いた、甘みのない鶏肉。おかずに最適、酒のつまみにも良く合いそう。自家製の塩辛をイカ刺しにまぶして食べるのは、初めての味わい。これも酒のつまみ系ではある。アルコール飲めないこともないが、飲み会でなければ進んで飲むことはない。
 そういえばこの店、前に来たのは暮れに髪を切った日だった。そのあたりから落ち込みが続いて、今日まで来る気がしなかったのだった。多少は出歩く元気が出てきたと思って良いのか(と、前にも書いた。まだ回復途上という実感)。

 雨のあたらない場所の、自動販売機のうえに猫がいる。うとうとしている。ただきちさんは猫いじりがうまい。指先のにおいをかがせて、あごをなでてやると猫は喜んで頭をすりつけてくる。自分がやっても猫は迷惑そうにして、立ち上がると背中を弓形に曲げて爪先立ちになり「うーーーん」とばかり伸びをした。おっかなびっくり触るのを、猫だって感じないわけじゃあるまい。人だけじゃなく、動物に触るのも慣れないんだなあ自分。

 妹尾河童『河童のスケッチブック』(文春文庫)、アフタヌーン連載の『神戸在住』を読み返していたら作中で紹介されていた。書店の棚を眺めていたら良いタイミングで並んでいたもので、即刻購入。父の本棚にあった『河童が覗いたヨーロッパ』を思い出しながらページをめくる。

 スーパーで食料品を買い、福豆もひとふくろ。豆まきはしないが、豆は食う。縁起かつぎでなく、単に炒り豆が好きだから。そういえば豆を買ってきたっけ、と思ったときには日付が変わっていたあたり、季節の移ろいや行事をないがしろにしている。雨は小降りになりはしても止まず、立春を迎えても春の訪れはまだ先の様子。


かこぶんきのうあした
ちちやすになんか送る




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