ほろにがい週末だった。
木曜に、 部長から正式に 今後は受付としても勤務するよう依頼された。 もちろん今までの仕事はそのままで、
金曜、 つかえない上司のつまらない仕事振り、 その後始末に終わる徒労。
土日。 なつかしい仲間たちに会う。 あたたかい思い出と辛い記憶がないまぜになる。 やさしくされたことを、 私はやっぱり忘れることができない。 それが今は本心でないと知っていても。 せつない片思いだ。 どんなに思っても、 私のことをなんとも思ってもらえないのに。
月曜、 雨の中、出張で東京へ行った。 雪にかわるかもしれない厳しい花冷えの中、 何枚も写真を取り街を歩いた。 全然遊ばず真っ直ぐ帰った。
そして今日、 やっとパソコンに向かっている。
そんな毎日の中で、 かわらず私を受け入れてくれる、 ちいさな存在に私は救われている。 もうどんな男のひとよりも、 たくさんのキスをしたちいさな王子さまに。 今はクッションの上で、 タオル地のボールをがじがじかんでいる。 ふと目を合わせると、 ととととかけよってきてそっとキスをする。
これだけの事実を書き留めるだけなのに、 私は自分の意識を留守にさせてしか書くことができない。 私のこころはいったいどこへおでかけ中なのだろう?
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