メタモルフォーゼ...葬月

見えるモノ、見えないモノ - 2004年03月16日(火)

不幸に見えていたモノが大した事じゃなかったり


幸せに見えていたモノがそんな事はなかったり


見えるモノだけでは何も分からない


そんな事に直面した一日。




中学時代からの友人Kから突然電話があった。


声を聞いただけで、普通じゃない事は分かった。


どうやら金に困っているらしい。


金額はありえない額だった。


Kは人から金を借りる様な人間ではない。


仲間内では、昔から一番の高額所得者でかなりしっかりしている。


事情が分からなかったので、聞いてみた。


やっぱり自分の借金ではなかった。


親の借金で、土地も家も担保に入れられたらしい。


その親にしても、ギャンブルとかで作った借金ではないので何とも言えなかった。


返済の為に、子供名義の貯金以外は無くなってしまったと聞いて、いたたまれなくなった。


とりあえず金を用意して、Kの家に向かった。


そして黙って金を渡した。


Kは泣いていた。


あのプライドが高いKが。


奥さんに「家の事なのにゴメン」って言われた。


奥さんもやつれていて心が痛んだ。


Kの奥さんは、ヲレの高校時代の彼女。


高校時代は社会人としか付き合わなかったのに、唯一付き合った同い年の人。


その事を彼が負い目に感じている事は感じていた。


かなり昔の事なのでこっちは気にしていないのだけれど。


それからヲレが無職なのを知っているので、かなり迷ったらしい。


「オマエには、頭が上がらない」って言われたので、「逆の立場だったら、どうする?」って聞いた。


「俺だって助けるよ」って言われたので、笑ってしまった。


Kから聞いた話だと、6年前にも同じ事があったらしい。


その時は親戚が返済してくれたけど、今度やったら絶縁だと言われていた。


そして前回の時は口に出さなかったので、聞いたオレ以外は知らない。


全然気付かなかった。


何時も幸せそうに見えたのに。


Kがそこまで追い詰められた時に、最初に相談されたのが自分で嬉しかった。


子供名義の貯金と家しか財産は無くなってしまったけど、Kならきっと大丈夫だと思う。


「オマエがしっかりしないと、皆が不安になるぞ」と言って、家路についた。




...




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