LORANの日記
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2007年03月30日(金) 大悪と小悪



菅総務相は30日、関西テレビ制作の「発掘!あるある大事典2」の捏造(ねつぞう)問題で、関テレに対して行政指導では最も重い総務相名による「警告」を出した。「報道は事実を曲げない」とする放送法に違反すると判断した。総務省は、キー局のフジテレビにも厳重注意の行政指導をする方向だったが、最終段階で見送った。(朝日新聞 20070330)


事実を捏造した報道をしたことで、最も重い政府の行政指導があったそうです。

このような報道に接すると、大悪が小悪を取り締まっているような思いになります。


かって、イラク派兵を決めた内閣は、その根拠としてイラクの大量破壊兵器の存在を挙げましたが、実際にはありませんでした。

この情報はアメリカの情報部が捏造したものでしたが、内閣は誰も責任をとりませんでした。


3月27日、35年前の沖縄返還密約事件についての判決がありましたが、東京地裁は時の経過による請求権の消滅という理由で原告の訴えを退けました。

この事件は、当時の佐藤内閣がアメリカが負担すべき400万ドルを日本が負担に応じるという、国会の承認をえない密約を結んでいたことが暴露された事件でした。

この記事を取材した元毎日新聞記者と取材に応じた外務省の職員が有罪になりました。

しかし密約を結んだ内閣総理大臣や関係閣僚には、なんの咎めもありませんでした。

佐藤元総理大臣は、ノーベル平和賞を受賞したのですから、白けてしまいます。

このように、この国では悪代官の悪事を公表すれば、公表した新聞社や関係者が罰せられます。


「長いものには巻かれろ」、「出る杭は打たれる」、「寄らば大樹の陰」など、正義や真実とは無関係に権力者におもねる傾向が強いのは、いまに始まったことではありません。

それなら、「民主主義」とか、「自由と平等」などという絵空事(えそらごと)を言うのは止めて欲しいものです。


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