LORANの日記
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2004年06月07日(月) 戦場カメラマン

村田信一さんは1963年(昭和38)生まれの戦場カメラマンです。
村上龍さんとの対談を本で読みました。

戦争とそこに生きる人々の姿をリアルにとらえることを念頭に、イスラーム世界や国連活動をも視野に入れて撮影を続けている。
湾岸、レバノン、アルジェリア、ソマリア、ボスニア、チェチェン、ザイールやコソボを4回取材した。

そう説明がありました。
彼は革命や改革に立ち上がる人々に共感を覚えて、世界中を歩いたそうです。
日本のような先進国では、安定していることで人々は安心して生活しています。

戦場になっている中で生活する人々は、明日どころか今日の命の保障もありません。
そんな状態で人々はどう考え生きているかに興味があります。

サラエボでは敵に包囲されて、何千発もの砲弾が打ち込まれました。
その中で市民はディスコへ出かけたりしていたそうです。
それは本当に生き生きしたものでした、と。

戦場にいる人々はすべてにおいて、一生懸命生きています。
次の瞬間に死があるからこそ、常に本音で生きています。
彼にはそれが過ごしやすかったそうです。

日本人のほうがよほど自分を隠して生きているような気がします。
他人には絶対本当の自分を明かさない、と言っています。
安定した社会では、真に自分に忠実に生きることは難しいのでしょう。

学徒動員で戦場へ行った大学生たちの遺稿集「きけ わだつみのこえ」を開くと、魂の純粋な叫びが伝わってきて涙なしでは読めません。

戦争は私も大嫌いです。
しかし、極限へ置かれたとき、人はすべての雑念が消えて、一種の恍惚感にひたれるのでしょう。大震災などのときに、みんなが協調しあうのも同じです。

「今を生きる」を実践できるチャンスであることを思うと、学びの機会としては決して悪くはないかも知れません。
彼らの経験を自分の経験として学べたら、犠牲を無駄にしないことになります。


参考図書: 「最前線」  村上 龍著  ラインブックス


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