LORANの日記
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村田信一さんは1963年(昭和38)生まれの戦場カメラマンです。 村上龍さんとの対談を本で読みました。
戦争とそこに生きる人々の姿をリアルにとらえることを念頭に、イスラーム世界や国連活動をも視野に入れて撮影を続けている。 湾岸、レバノン、アルジェリア、ソマリア、ボスニア、チェチェン、ザイールやコソボを4回取材した。
そう説明がありました。 彼は革命や改革に立ち上がる人々に共感を覚えて、世界中を歩いたそうです。 日本のような先進国では、安定していることで人々は安心して生活しています。
戦場になっている中で生活する人々は、明日どころか今日の命の保障もありません。 そんな状態で人々はどう考え生きているかに興味があります。
サラエボでは敵に包囲されて、何千発もの砲弾が打ち込まれました。 その中で市民はディスコへ出かけたりしていたそうです。 それは本当に生き生きしたものでした、と。
戦場にいる人々はすべてにおいて、一生懸命生きています。 次の瞬間に死があるからこそ、常に本音で生きています。 彼にはそれが過ごしやすかったそうです。
日本人のほうがよほど自分を隠して生きているような気がします。 他人には絶対本当の自分を明かさない、と言っています。 安定した社会では、真に自分に忠実に生きることは難しいのでしょう。
学徒動員で戦場へ行った大学生たちの遺稿集「きけ わだつみのこえ」を開くと、魂の純粋な叫びが伝わってきて涙なしでは読めません。
戦争は私も大嫌いです。 しかし、極限へ置かれたとき、人はすべての雑念が消えて、一種の恍惚感にひたれるのでしょう。大震災などのときに、みんなが協調しあうのも同じです。
「今を生きる」を実践できるチャンスであることを思うと、学びの機会としては決して悪くはないかも知れません。 彼らの経験を自分の経験として学べたら、犠牲を無駄にしないことになります。
参考図書: 「最前線」 村上 龍著 ラインブックス
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