風に向かう。それまで長らく束ねていた髪を切った事があった。髪が風に舞うことで鳴るということにその時気が付いた。それ以来、髪の音が気になる。気に触るようなことは今のところ無い。風に目を閉じる。大きな力がこの世にあると。小さい力が集まることを。最初に思ったのは風だった。繋がり留まることなく続いて行く。風を忘れてしまう。いつの間にか。いつからか。空と風と光を。絶え間なく求めていた頃もあったというのに・・・。