non-fiction.
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halu



2009年01月02日(金)
■分離選択。

高校2年に進級するとき、
文理選択をしなければならなかった。
私はとにかく数学がわからなくて、
文系に進んだ。
親しい友人たちはみな、理系に進んだ。
文系クラスに親しい友人はなく、
「勉強なんかキライ」という、
派手で騒がしい子ばかりが集まった。
私の苦手な子たちばかりだった。

私は彼女たちから「変わった子」という印象で、
何かするたびに、
「やだーウケるー」
といった、笑いの対象だった。
多分その笑いに悪意はなかった。
けれど、
私はそれが嫌だった。
授業中もうるさかった。
日本史が好きだった。その授業がいちばんうるさかった。
私は先生の話が聞きたかった。
それは毎回、休憩時間と大差ない話し声に妨害された。
先生は怒った。
けれど若い先生だったせいもあって、
みんなナメきっていて、
誰もそんなのに耳を貸さなかった。
毎日がストレスだった。

学校が、嫌いになった。

毎日いらいらしていた。
幼いころから、私はつめきりを使わない子だった。
ストレスが溜まると、
血がでるまで、爪を短くむしった。
常に深爪だった。

秋、胃を壊した。
今まででいちばん体重が多かった。
常に頭が痛かった。
いつもいつも、あたまの片側が痛かった。

部活は好きだった。
部室にいるときだけは、
楽しいと思えた。

リストカットをし始めた。
いらいらしている自分が嫌だった。
誰かに悪意を持つ自分を赦せなかった。
ストレスを与えてくる周りが赦せなかった。
手首の傷は毎日少しずつ確実に増えていって、
隠すためにリストバントをつけ始めた。

そのころ、
私はウェブ上で、ひとつの日記を書き始めた。
私とは違うもうひとりを作り上げた。
リストカットやいらいらや、
そういう醜いものすべては、
「彼女」がしていることにした。
そうすることによって、
私はほんの少しだけ、
救われていた。


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