まろやかな日々
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双児を産んだ友だちに逢いに行った。 彼女の実家には、何度か行ったことがある。
手土産と、お祝いのママバッグを渡したところで 彼女のお母さんがやって来て 「こればっかりは授かりものだけれど 早く赤ちゃん、欲しいわよねぇ」 と、言われた。
何て返事をすればいいのか、解らなかった。 悪気はないんだと思う。 それとも、不妊だって知っていて同情していたの? 「私は赤ちゃんが出来ないんです。頑張っているんです」 って、言えばよかったのだろうか。 でも、それでなくたって ここに来るのに、こんなに勇気がいったのに わざわざ自分の傷を広げるようなことなんて、言えるはずもない。 ただ、笑って誤魔化すだけ。
今まで、職場でほのめかされても 冗談にして流すことが出来たのに。 気を使って言わないだけなのかもしれないけれど 親にすら言われたことがなかった。 初めてまともに言われて、こんなにキツイ言葉なんだって思い知った。
苦しいけれど、我慢。 彼女に悟られちゃいけない。 彼も、彼女夫妻に打ち明けたいのを我慢しているんだから。
ベビーを抱かせてもらうと、彼女が 「きぬちゃんに病院に連れて行ってもらわなかったら ここにはいなかったんだよ」 って、話しかけていた。 ちょっと救われた気がした。
でもね。 私は、あの病院じゃ手に負えないの。 どうすればいいのか、解らないの。 赤ちゃんを見るだけで、苦しいの。 毎日毎日。
思いのほか、長居してしまった。 帰り際に、ウチでは絶対に買えない高価なお皿を頂いた。
クルマの中で、「えらかったね」って彼に言われて 涙が止まらなくなった。 彼にも苦しい思いをさせてしまった。 ごめんねって、繰り返す。
あの頃私は。。。
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