まろやかな日々
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2004年12月25日(土) 不妊

不安要素が、ないわけではなかった。

一度流産しているし、筋腫があることも知っている。
ピルも飲んでいた。
でも、大丈夫だと思っていた。
タイミングさえ合えば、妊娠しうる身体だと。

正午に予約した病院は、行ってみると30人近く待っていて
結局1時間以上待つことになってしまった。
不妊外来で来る患者の多さに驚いた。
ここにいる人たちのほとんどが、妊娠を望み治療を受けているだろうということに
少しだけ安心と親しみを感じた。

でも彼は、一緒にいてくれると言っていたものの
読めない待ち時間の長さに耐え切れず、出ていってしまった。
圧倒的に女性が多い空間は、やはり落ち着かなかったのかもしれない。
1人になった途端に、緊張してきた。
直後に名前を呼ばれた。
ケータイは持ってこなかった。
連絡できずに結局、1人で受診することになった。

センセイは、不妊治療では
それなりに実績のある人らしかった。
HPで見た限りでは、誠実でこざっぱりした男性という印象を持っていた。
でも、上ずった声で早口に用件だけ話す様子は
私が持っていたイメージとは、全く懸け離れていた。
しかも、何を言っているのか全然理解できない。
話は一瞬で終わり、検査の順番が来るまで外で待つように言われた。
私の不安はピークに達した。
涙を堪えるのに必死になった。

彼に連絡を取りたくて、公衆電話の場所を聞いたが
駅に行かないとないと言われた。
とても惨めな気持ちになった。

順番が来て、エコーと触診を受ける。
筋腫が、内側にはり出して5センチになっていると言われた。
「これが不妊の原因の可能性が大いにあるね。
 他に原因がなければ切った方がいいね」
あっさりと言うセンセイ。
私は、不安と恐怖でどうしていいか解らなくなった。
でも、頼れる人は誰もいない。

その後、さらに待った後
今後の話をされた。
「検査するのは、丸をつけたやつね。
 次の生理はいつ?・・・じゃあ、5日に予約を取って」
検査内容の用紙と基礎体温表を渡された。
5日って、平日?
こちらの都合も聞かずに。。。
でも、「次の時に全部の検査をするんですか?」と聞くのが精一杯だった。

これで、診察って言えるんだろうか。
不安と恐怖を募らせるだけだった。
話を聞いて納得のいく治療をするんじゃなかったの?
「不妊・筋腫・手術・・・」これらがグルグルと頭の中を回る。

お会計を済ませ、彼に連絡を取るために駅へ向かう。
もう、涙を我慢する必要はなかった。
彼を待って帰った。

私は欠陥商品だった。
これも罰なんだ。

彼の子どもを、抱けないかもしれない。
こんなに待っているのに。
みんなも、待ってくれているのに。

周りは次々と子どもが出来ている。
こんなんじゃ、喜べないよ。
嫌な人になってしまうよ。

帰ってから、ずっと泣いて
泣きつかれて眠って、起きてまた泣いた。

彼が、今までのところでもう一度診てもらおうと言った。
ちゃんと話を聞いてもらおうと。
私は、ちょっと迷った。
同じ検査をもう一度することに抵抗があった。
それに、また恐怖を味わうことになるかもしれない。
でも、今日の病院にはもう行きたくない。

思い出す度に苦しくて、助けてほしくて
明日、今までの病院に行くことに決めた。

諦めたくない。
今は、その一心だけ。



あの頃私は。。。
2002年12月25日(水) 大掃除

華泉 |MAIL
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