秋。 九月に入ったのだから、そろそろ「秋」と言っても良い季節。 昨日の台風一過で家の近くに野生しているコスモスは全部薙ぎ倒しにされて根が剥き出しになっている株まで在ったけれど。 夜の風は本当に秋っぽくなった。
カレンダーを捲って、部屋の片付けをする。溜まっていたプリントを整理して、山積みになっている本を整頓する。窓を開けて空気の入れ換えをする。窓の外を眺めて、あまりに良い天気なものだから、魅入ったまま暫し。そうして、部屋の片付けにさえ厭きる。だから部屋の片付けはひとまず中断。 ピアノの蓋を開ける。其の前に埃を払う。埃を払うのは私の日課。楽譜は、ショパンを並べてみる。秋だから。特別な理由は無いけれど、思索の季節にはショパンの曲が似合う気がするから。指慣らしに色々弾いてみて、最後はバラードに行き着く。そうして、指が上手く動かない事に苛立って投げ出す。ピアノに向かってから二時間か、三時間か、其のくらい経ってからのこと。
夏休みは長過ぎるから、怠惰になってしまう。本当はもっと色々な事を遣りたいし、遣らなければならないのに。 北国の夏は短くて、秋は既に訪れて、そうしている間にも冬将軍が迫ってくる勢い。プラタナスの葉が落ちきった時には、もう初雪が落ちてくる。
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