こないだなくして
見つかった指輪は、
実はすんごい安物。

雑貨屋さんというか
おもちゃ屋さんというか
そういうとこで買ったもの。



でも、とても気に入ってて。
だって、あの人がかけていた
めがねのつる（テンプル）と
同じ色だったから。

服が変わっても
鞄が変わっても
めがねと指輪は
いつもお揃い。

だから私にとっては
お守りみたいなものだったのに。

指輪をなくしたってことは
自らお守りを捨てたってことなのかな？
もうあの人と繋がっていたくないって
無意識に思ったってことなのかな？

そう思うと苦しくて。

あの人とどうにかなりたい。
そう思ってたわけじゃないけど、
もっと別の理由で辛くなってた。
そこから逃げたかったのかな？

そんな自分が許せなかったし、
やっぱり
あの人を捨てたくなかった。


指輪が見つかった。

指輪はモノなのに、
私との再会を喜んでいるように見えた。
なんとなくだけどそう見えた。

深く広く考えず、
浅く狭くでもいいじゃない。
これからも続けてていいんだよって、
自分勝手な私のことを許してくれたように思えた。

それで、また日記を書きたくなった。
物欲も復活して（笑）
爽やかな色のＴシャツを買ってしまった。


あの人は今はもう
別のめがねをかけてるけど、
私にとって
この指輪はやっぱりお守り。
ずっと大事にしようと思った。