先生妄想日記

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2005年04月02日(土)    ワタナベ

新学期が始まりましたな!
そんなわけで昨年度を振り返ってみようかと思いまする。
3月中に書こうと思ってたんだけども、なにかと忙しくてのー。

昨年度、一番インパクトのあった生徒の話を。
彼の名前は、ワタナベとします。なんかワタナベっぽいの。
ワタナベは、スポ科の生徒で、ある種目でなかなかの成績をおさめておりました。
あまりスポ科と交流のない私でも、名前と顔が一致するくらい、色んな意味で目立つ子だったのです。
その彼が、ある日、うちの教室にやってきました。
一緒に来たのは、なぜか普通科の生徒たちでした。

「先生、俺、普通科編入なったんス。教室の利用証明書っつーの?あれ作り直してください」
「あれ?そうなの?それじゃぁ新しい生徒手帳ある?」
「あ、まだ作ってないんス。急だったから」
「じゃぁ仮証明出すね。名前と新しいクラスと出席番号ココに書いて」
「ウス」

それ以来、ワタナベはちょくちょく教室に遊びに来るようになりました。
硬派な外見に似合わず、本当によく喋る子で、まるでマシンガンのようにベラベラベラベラ自分のことを話してくれました。

小学校の時からずっとある種目をやってきたこと、その種目でスカウトされてこの学校に来たこと、実家は遠いので寮に入っていること、国体を目前に怪我をしたこと、歩くことはできても、もう走れないこと。
父親も母親もセンセイをやっていて、一人っ子なので大学に行かなければいけないこと、彼女とうまくいっていないこと、新しいクラスは楽しいこと、映画が好きなこと、漫画が好きなこと、コーヒーは飲めないこと、ケーキが好きなこと、音楽はインディーズが好きなこと、理系が得意なこと、文系は苦手なこと、スポーツをやめてから太ったこと、誕生日は4月であること、それから沢山のシモネタ。

どうでも良いことをとめどなく流れるように喋って、そのうち彼は来なくなりました。
時々、教室を移動する彼を見かけました。
遠くから手を振ってくれて「センセ−、また教室行くから!」と大きい声で叫んでいるのを、何度か見かけました。

今年度は、もう来なくて良いようになると良いなと思う次第なのでした。
まぁ来てくれたら、それはそれで嬉しいけどの。



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