Wakako's Diary 道すがら記

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本でのぞく万華鏡 - 2004年07月19日(月)

今や旅行代理店に行かずとも自宅のパソコンから簡単に世界のあちこちに飛ぶ航空券が取れる時代である。911やイラク戦争など国際的な大問題も多く、ついつい、全世界は同じ物事を共有している、と思いがちである。いや、少なくとも最近私は思い込んでいた。

「世界の本屋で愛を叫ぶ:ベストセラーのグローバリズムとナショナリズム」(2004年7月26日号のアエラ掲載)を読んで、当たり前であるが、世界の人々はそれぞれ違うところに立って違う物を読み、違う物に接し、そして万華鏡のように世界を見ているのだ、ということを改めて思った。アメリカのベストセラー主義が世界を浸食しているとは言っても。

例えば、近くでは韓国のベストセラー10位中、江国香織が二冊、綿矢りさの「蹴りたい背中」が10位にランクイン。また、「刀の歌」という豊臣秀吉を亀甲船で破った李舜臣を取り上げた長編小説が2位、と、歴史的にも(よくも悪くも)、文化的にも近いのかな、と感じさせる。翻って北朝鮮は、李朝の高級キーセンの生涯を描いた長編小説以外は売れ筋は首領様や北の思想理念本。なるほど〜、と思いやすい調査結果である。

しかし、台湾では、ネットで火がつき出版化された小説が2冊、10位にランクインする他、トップ10に翻訳物が入っていない。国内の文化土壌が豊かな証拠だろうか?

翻って欧州に行けば、なんとなく我々が分かった気になっているおフランスだが、フィクションで日本で出版されている物は「ダ・ヴィンチ・コード」一冊のみで、あとはポール・オースターの日本で未出版の物が1冊は言っている医学ぁ、おフランス小説でございましょうか?ノンフィクションに至っては、日本で出版されている物はございませんです。テレビ司会者のエッセイとか、ドゴール大統領の息子による回顧録とか。それでも、おフランス文学は、いずれ売れそうな物は日本でも出版紹介されるかもしれない。

これが例えば、フィンランド語やギリシア語文学に至ってはいかがだろうか?熱心な研究者がいれば、紹介するかもしれないが、それ以上の期待ができるだろうか?

中東やアフリカの出版まではさらに想像力が及びにくいかもしれないが、トルコでは翻訳物よりトルコ人の作品が多く読まれているとか、エジプトでは中東で最も著名なジャーナリストであるムハンマド・ハサネイン・ヘイカル氏の著作が3冊ランクイン、1位は同氏の「アメリカ帝国とイラク攻撃」であり、4位に歴史書「ファーティマ朝」、8位がカイロ市の地図(購入者の8割が外国人観光客)など、お国柄が見て取れる。

グローバリズムのように見える世界であるが、見ている物や角度がおのおの違う、そんな当たり前のことを思い出させてくれる、興味深い特集であった。





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