日経(H27.12.28)社会面で、全国の小中学校で、組み体操による児童生徒の都道府県別負傷率についての記事が載っていた。
その調査によると、2012年度と2013年度に組体操のケガで医療費の給付があった全国の件数は1万6711件、うち骨折は4334件であったそうである。
とくに都市部での事故数が多い結果になっており、この点について調査した大阪経済大の西山教授は「大型ピラミッドなどに取り組むマンモス校が多いのではないか」と述べている。
都市部で事故が目立つことと大型ピラミッドとの関係はもう少し精査する必要があると思うが、大型ピラミッドが危険であることは周知の事実である。
学校事故では、大型ピラミッドの問題だけでなく、プールの飛び込み事故など、注意すれば防げるケースも多いのに、危険性に対する教員の認識が不十分なために事故を招いていることが多いように思われる。
学校側には、「できる限り生徒の安全にかかわる事故の危険性を具体的に予見し、その予見に基づいて当該事故の発生を未然に防止する措置を執り、生徒を保護すべき注意義務を負う」のであるから(最高裁H18.3.13判決)、少なくとも、大型ピラミッドについては直ちに中止すべきであろうと思う。
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弁護士 土居範行
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