今日の日経を題材に法律問題をコメント

2009年07月06日(月) 大卒なのに、履歴書に高卒と書いた場合

 日経(H21.7.6)14面「リーガル3分間ゼミ」で、採用後に履歴書の虚偽申告が発覚した場合について書いていた。


 そのコラムの中で、東京高裁の判例を引用して、「履歴書に、大卒なのに高卒とした場合も虚偽申告となり、懲戒解雇の可能性がある」としていた。


 この東京高裁の判決に対しては上告されたが、最高裁もこの東京高裁の判断を支持している。


 したがって、記事で書いていることは間違いではない。


 ただ、大卒なのに高卒と偽って申告したことが問題になるのは、政治活動歴を隠していた場合など、本当は別の理由であることが多い。


 この裁判でも、この労働者は成田闘争に参加して2回に渡って懲役刑を受けている。


 そのため、最高裁は、大卒なのに高卒と偽って申告したことを問題にしただけでなく、2回にわたり懲役刑を受けたことも問題にしている。


 そのうえ東京高裁では、「有罪判決を受けた後も成田空港反対闘争に参加するなど自己の行動に対する反省の態度は見受けられず、自己の主張が正しいとして、既成の社会秩序を拒否する考えが強い」とまで述べている。


 このような諸事情を考慮したうえで懲戒解雇を有効としたのである。


 すなわち、「大卒であるのに高卒と偽った」ことだけが問題になったのではないことに留意すべきである。


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