| 2008年10月22日(水) |
専門用語の言い換えは難しい |
日経(H20.10.22)社会面で、国立国語研が、医療用語を分かりやすくするための言い換え例をまとめたという記事が載っていた。
言い換えは、裁判員制度が来年から始まることから、法律用語でも盛んに行われている。
上記の記事では、例として「寛解」は「症状が落ち着いて安定した状態」と日常用語に言い換えるとしていた。
「寛解」という用語は、ある裁判の際に診断書に記載されていたことがあり、意味が分からず調べたことがあるので覚えている。
そのとき調べた意味では、症状が好転または消失することであり、完治ではないが、臨床的には問題ない程度にまで状態がよくなるということだった。(Wikipediaなど)
とくに白血病治療においてよく使われる用語であり、治療によって血液や骨髄から白血病細胞が消失したとしても、白血病細胞が体内に存在するので、「完治」とはいわず、「寛解」というようである。
国立国語研は「寛解」を「症状が落ち着いて安定した状態」に言い換えることを促している。
しかし、上記の使用例を見ると、国語研の言い換え例は少し意味が違うように思われる。
専門外なのでこの指摘が正しいかどうかはよく分からないが、専門用語の言い換えは難しいということはいえる。
専門用語はきちんと定義され、意味が明確であり、しかも、それを短い用語で端的に伝えることができる。
それを言い換えるとどうしても意味がズレてしまい、それまで持っていた言葉のニュアンスが伝わらなくなってしまう。
もちろん、医学用語でも法律用語でも、一般の人に伝えるときに一般の人が理解できない用語を使っていいはずがない。
それゆえ、一般の人が理解できるように言い換えをすることは望ましいことである。
ただ、言い換え例の作成にあたっては、もう少し知恵を絞り、できるだけ専門用語とニュアンスが違わないように努力すべきではないかと思う。
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