| 2008年03月05日(水) |
鑑定価格は一義的には決まらない |
日経(H20.3.5)16面で、旧カネボウの少数株主が、会社に対して買取請求をした争いで、東京地裁が、公正価格を近く決定という記事が載っていた。
会社側は、買い取り価格をTOB価格と同額の1株162円とした。
これに不満を持った少数株主は、1株1000円以上であるとして、東京地裁に公正価格の決定を申し立てた。
そして、東京地裁が選任した鑑定人は360円と算定した。
つまり、株式の評価額が、162円、1000円以上、360円と3通りあることになる。
記事では、裁判所が1株360円と算定した決定をした場合、TOB価格の162円が妥当だったのかという疑問が生じ、TOBに賛同した旧経営陣や、お墨付きを与えた証券会社の責任まで問題になりかねないと書いていた。
しかし、鑑定評価方法にはいろいろあり、どの方法を採用するかが一義的に決まっていない以上、鑑定価格が変わっても仕方ない。
そのため、TOBに賛同した旧経営陣や、お墨付きを与えた証券会社が責任を問われることにはならないだろう。
ただ、鑑定の際に考慮すべき資料の取捨選択を変えると鑑定価格は変わる。
鑑定の基礎となる数値にも幅があるから、その幅のうちどれを取るかによっても鑑定価格は変わる。
そのため、結論が先にありきの鑑定だなあと思うことはしばしばある。
|