| 2007年11月12日(月) |
司法試験に出題される判例を教授が事前に教えたことの影響 |
昨日の朝日(H19.11.12)1面トップで、新司法試験の出題を担当する元慶応法科大学院教授が、本試験で出題されることを知りながら、試験直前に出題される「重要判例」を学生にメールで流したと報じていた。
この問題では、慶応の受験生の正答率が26.57%だったのに対し、慶応以外は22.05%と4.52ポイント下回ったそうである。
つまり、論調としては、試験問題漏洩により、一部の受験生が不当に有利な結果になったおそれがあるというものである。
この元教授の行為に同情の余地はまったくない。
しかし、この程度のメールでは合格に影響はしなかったであろうと思う。
流したメールには6つの判例を書いており、「重要判例」はその中の一つに過ぎない。
しかも、その「重要判例」は受験生であれば当然知っておくべき判例であり、模擬試験でも何度も出題されたはずである。
また、正答率についても、慶応受験生のレベルが高いことを考えると、全体の合格率と比較しても正確な比較はできないであろう。
慶応と同程度の合格者を輩出している法科大学院と比較して初めて、教授の流したメールの影響が分かるのではないだろうか。
私は慶応出身ではないし、この教授を擁護するつもりもない。
また、適正に行われているだろうと思われていた司法試験が失った信頼は軽微ではない。
ただ、教授のメールに影響があったかどうかとなると、影響はなかったと思われるのであり、批判の仕方があまり適切でないと思うのである。
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