今日の日経を題材に法律問題をコメント

2005年08月01日(月) 見舞金を払ったからといって、それだけで責任を認めたことにはならない

 日経(H17.8.1)1面の「アスベスト禍」というコラムで、アスベストを発表する前のクボタの役員会議の様子を描いていた。


 役員会議では、「見舞金を払ったら、石綿と疾病との因果関係を認めたことになる」という意見が出たそうである。


 このような意見はときどき出る。


 しかし、見舞金を払ったからといって、当然に責任を認めたことにならない。


 名目を「見舞金」とすることはもちろんであるが、それだけでなく、法的責任がある場合の損害賠償額に比べて、見舞金の金額が相当少ないときには、見舞金を払ったからといって、それだけで因果関係を認めたことにはならないだろう。


 もっとも、アスベスト禍については、裁判になれば、アスベストと疾病の因果関係は認められると思うが。


 < 過去  INDEX  未来 >


ご意見等はこちらに
土居総合法律事務所のホームページ


My追加
-->