* 世界一ついてない日常
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2005年10月05日(水) パラレル逆世界4

どうやら貧乏アパートの逆で、
こっちの私はこの豪華マンションに住んでいるらしい。

立派な門の前のインターホンを、押す。

――いんたーほーん♪

…。普通「ぴんぽーん♪」とかじゃねえのかな…ま、私だからな…

「はーい」

ドアの向こうから、私の声が聞こえた。そして、

かちゃ。

「あなたは?」

現れたのは、いかにも仕事のできる賢そうな好青年である。
にもかかわらず顔だけ同じで気持ちわるい。

「ええと、アポイントメントは?」

私のくせに横文字使うとは生意気である。ないよそんなもの。

「申し訳ありませんが、ちょうど出勤するところだったんです。
 会議、その後テレビ局の取材、さらに新聞のインタビュー、
 大阪市長選挙の応援、夜は接待と続いておりまして」

な、何者なんだこいつ。

「そっちから訪ねてきてそれはないでしょう。
 私、こういう者です」

差し出された名刺、『総理大臣私設秘書』って書いてある…
げっ、総理の秘書だって?!

「しかしそっくりだなあ。親父の隠し子かなんかですか」

話せば長くなるから。

「ふ…ふふ この展開でいけば、
 読者が次に何を求めているか、わかりますね」

へっ?!

なっ、こ、こいつ…まさか、

「私もブログ書いてんですよね!
 おもしろいから入れ替わってみましょう!」

やっぱ私だ――――!!!


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