神様がホームステイを始めて、もう5日目になる。
『思っていたのと大分違う。 私がああやって色々な神社に祭られていたとは知らなかった。 どおりで願い事が絶えないはずだ』
今は受験シーズンだから大変だよね。
『しかし不思議だ。なぜ皆、鐘を鳴らす?』
それはあんたにオレが聞きたい。 そういうシステムなんじゃないの?
『お寺もチーンってやる。あれはけっこううるさい』
あ、ほらあれだよ。玄関チャイム。 オレんちも客が来たらピンポーンって鳴って、 そしたら出て行けばいいんだから。
『私のようにいろんな支店があると、 いっぺんに鳴らされるととても困るのだ』
教会とかモスクとかお地蔵さんとかもあるしね。 あー大変だ大変だ。
『妻!お前他人事だと思って簡単に言うな!』
だってあんたの仕事じゃないか。
『たまには嫌になるときもあるのだ。 そうだ、一日だけ、お前が神様をやってみないか』
ええっ?!
『体験ということで、出雲大社だけでいい。他は臨時休業するから』
ちょ、ちょっと待て!
『いやあ、一回でいいからディズニーシーに行きたかったのだよな』
待てってば!!オレはまだやるなんて言ってないし!!
『ヨン様そっくりに化ければナンパも成功するだろうか。 いやそれともイ・ビョンホンの方が今風だろうか』
聞け!!
『とにかく妻、任せたぞ!』
聞けってば――!! 〈続〉
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