2005年02月14日(月) |
神様、バレンタインデーを楽しむ |
そして神社に来た。 バレンタインデーとあって、カップルがちらほら来ている。
「ゆみこ、今日もきれいだよ」 「やだー、まーくんたらー」
ええいやかましい!!うらやましい!! オレの視界でいちゃいちゃすな!!
「ゆみこ、何お願いしたの?」 「まーくんとずっと一緒にいられますように」
ええいこの…
『残念だが、その願いは聞けない。』
げっ神様!!
「なによあんたたち!!」
ごめん!こいつ変だから気にしないで。ホント。
『私のせいではない。 君の友人のえりこが、昨日同じ願いをした。 えりこの方が普段の素行が良いため、そちらを採用したのだ』
頼むからお前は黙っててくれ――!!
「どういうことよっ!」 「待ってくれゆみこ、これには訳が」
痴話喧嘩勃発。
『よし』
よしじゃない!
『いや、良しなんだ。 ゆみこを好きなあきひさも別れてくれと願っているし、 えりこの母親からも孫の要望を受けていた。 3対1の多数決で、ゆみこの負けだ』
願い事って…多数決なの?
『それ以外にも、えりこは善行を施している。応募資格を満たす。』
応募資格ってあるの?!
『ちなみにお前は満たしていない』
わるかったな。どおりで叶わないはずだよ。
あ、そうだ。せっかく来たから土産にお守りを買って来る。
『…生の神様がここにいるのにか。』
生? まあ、あんたに比べればお守りなんて削り節程度だろうけどさ。
そうだ、あんたにも買ってあげるよ。はい。
『…。この場合、私はどうしたらいいんだ?』
自分をご加護してください。
『しかも交通安全など買いおって』
…ごめん、天国に車はなかったね。
『まあよい。バレンタインに妻からもらった 初めてのプレゼントというものだ。』
妻言うな!! 〈続〉
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