「あんた、これで何回目だ?無免許したの!」 …えー…3回目くらい? 「18回だ!しかも毎回同じとこで捕まりやがって」 もうすっかり顔パスに。 「逆だ逆!お前の顔見りゃ俺はまたアホが来たと思って嫌になる」 警察官冥利に尽きますね。 「尽きない!あのさ、一応お前同業人だろ?」 まあね。 「ったく…こいつこそが矯正されるべきだと思うが」 よく言われます。 「で、無免許の理由は?」 おととい食べたイカの塩辛です。 「…それがわかんないんだよなー」 そこのスーパーで半額でして。 「賞味期限が近いってことだな」 当たりまして。 「まあその展開になるわな」 昨日は出かける用事があったのにトイレから出られずに。 「で、急いでいて忘れたと。」 違いますよ! 「違うの?」 仕方なくトイレから出張先に電話したわけです。 「下ネタになってきたな」 所長に怒られまして。私は尻を出したまま直立不動となったわけです。 「あ、わかった。流したな」 そこでごめんなさいと謝って一応話はつきました。トイレを出ます。 「無事に済んだな。じゃあなんでトイレの話をしたんだ」 遅刻しながらも私は出張先に向かいます。 「感心じゃないか」 出張先でいきなりトイレを借ります。 「かっこわるいな」 用事を済ませ、またトイレを借ります。 「ますますかっこわるいな」 帰ろうとしたら、目の前に指名手配中の窃盗犯がいるではありませんか! 「なに?それでどうした!」 やっほー。 「手を振ってる場合か!」 知り合いだったんです。 「類は友を呼ぶな」 最近どう?いや俺さー炊飯器集めに凝ってたらとうとう指名手配されたよー 「たちのわるい男だな」 大変だねーと握手をして、そのまま手錠をがちゃり。 「お前の方がたちがわるいよ!」 職場に友人がいるというのはいいことです。 「刑務官が言っちゃいかんセリフだよ。おい免許証の話はどうなった」 ボーナスももらえました。 「免許証!」 ボーナスでトレーディングカード“アホモン”を買いました。 「ったく、いい大人が何を買って…」 アホモンスターたちがアホさを競うんです。例えばトイレデスベッターは 「聞きたくない。先へ行け」 通りがかりの小学生に因縁をつけて勝負です。 「はた迷惑な。」 圧勝でした。 「相手がか」 はい。なかなかお巡りさんも心得てらっしゃる。 「うるさい。いいから先へ行け」 一番強いアホモンをとられました。 「まさか…」 はい。私の免許証でした。
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