市長になることになりました。 場所は南海オセアニアのスポポンペコ島、ルクセンぷルグ市。 …ぷがひらがななのがポイント。 元々無人島だったここに、ハワイへのツアー客が漂着したのが市のはじまり。 そんなわけで住民は全員日本人。
しかし……。 どうやらこの地は、内戦の絶えない危険度5ツ星の市だったようです。 なんでもそのとき漂着したのが、 悪いことに半数が関東人、半数が関西人だったんです。 東京弁と関西弁、どっちを標準語にするかで、えらいモメとんのですわ。 「貴様、関西か!!」 しまった!! 観衆の一人が実は関東人だったらしく、小刀抜いてかかってくるのに、 ボディガードが取り押さえます。 …ああ、こんなのって。うかうかと言葉も喋れないじゃないか。 「関東やな!この裏切り者!」 うわ! ボディガードからして襲ってきました。 待って待って待って待って 「なんや!」 わて関西なん。ホンマやでえ。 「そんなんゆーて!日本の首都は東京ゆーて思とんのちゃうん!」 え。だって首都は… 「あれはタテマエや。ダミーや。この地図見てみ。 キャピタルやのーて、キュピタルゆーて書いたる」 あ、ほんとだ。 「嘘つくなよ関西!そんなもの、関西お得意の誤植ミスだろうが!」 「なんやて!!」 すごい騒ぎになってしまった。つつっと秘書が寄ってくる。 「市長。標準語提出期限は今日までなんです」 は? 「そやから現市長が国外逃亡したんやないですか。」 うえっ。やなとこに来ちゃったよ。 でも…期限って、過ぎるとどうなるの? 「ピカチュウ語になるんです」 あ痛──ッ そりゃ必死にもなるわな。 「とにかく、一日市長とはいえ市長は市長。さっさとどっちかに決めて下さい」 今?! 「この混乱を抜けるには、それしかありません。さ、早く」 ん──…。 じゃ、くじ引きで決めよう。いい、文句なしね。いちにのーさん。 でた。 えーと……フ・ラ・ン・ス・語。
「なんですと──?!」
暴動は、激化した。
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