今日は、大変なことになりました。 新種の昆虫と間違えられて、昆虫標本にされちゃったのです。 ナフタリンくさいし、ピンでとめられてトイレにも行けないし、 ていうか虫だったか?オレ。 ミドリガメとかアオガメとかデジカメとかそーゆーのだったと思うし、 なにより、オレ、ええと、 ……蛾、苦手なんすよぉぉ〜!!!(実話)
向こう三軒両隣とかよく言われますがね。 自分のお向かいはアシナガバチでした。 尻の針がちょうど目の前なので、動くに動かれません。 両隣はちょうちょ。羽がくすぐったくて、まあ、これくらいは我慢できます。 でも斜め向かいが、ああ、口にするのもおぞましい、「 」!
「 」と共に人生終えるなんて、まっぴらごめんです!! 実験レポート提出刻限も迫っています。 オレはなんとか逃げ出せないかと考えて……気づきました。
この昆虫学者、もしやK大の教授か??!
さっきはあのブラックホールめいた鼻の穴に気を取られて気づかなかったけれど、 そういえばあの隠しきれない頭頂バーコード… あれゼッタイ横髪だよな…… いや、ハゲに気をとられてる場合じゃない。 これはある意味チャンス。なにせ、うちの研究室はこの隣なのだ。
ん? 「どこですか、新種の長靴は」 ──ギクゥ!!!! うちのK教授が入ってきた!!! ヤバイ見つかる!っていうか目的オレだし! 「どうです?珍しいでしょう」 見せんな!見せんな! あ──!! 「あ──!!」 「どうか?」 「………………………………う…ちの学生です……(怒)」 あ──!!(泣)
首根っこひっつかまれ昆虫標本から回収される、オレの運命やいかに……。
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