ロマンティスト・テイスト...jovanna

 

 

L.Aレコーディング・リポート - 2004年11月20日(土)

『オレでよけりゃ必要としてくれ CALL ME CALL ME 
 電話一本でいつでも呼んでくれ 後悔ないようにしとくぜ』
《“CALL ME”でYOSHII LOVINSONは、
今までに無く他者に向けてダイレクトに呼びかける歌を書いた》
ROCKIN'ON JAPAN12月号に古河晋氏によるYOSHII LOVINSON
ロサンゼルス・リポートが載っていた。
《吉井和哉は今、明らかに「音楽を鳴らす人間」である自分というものを、
解体・分析・再構成する作業をしている》
「CALL ME」で所謂、吉井節と呼ばれる濃厚な歌謡性を持つメロディが
甦っているという。
けれど、それだからこそ『イエローモンキーとは全く異なるサウンドメカニズムで
根源的な人間の「匂い」を放ちながら音楽を作っていることが露になっている』
のだそうだ。
古河氏は、『トブヨウニ』のドラムの再レコーディングと新曲のミックス・ダウン×2の
現場を見る事が出来、何とミックスに立ち会った2曲+既にミックス済みの2曲の
計4曲の新曲をLOVINSONに聴かせて貰ったのだそうだ!羨ましい!!!
『「新しいものを蘇生させた」そんな感触が全ての楽曲に漲っていた』
古河氏がそう表現するYOSHII LOVINSONのセカンドアルバムに早く触れたくて堪らない。
来月、YOSHII LOVINSON表紙巻頭インタヴューが実現するのだそうだ。
MITCH・IKEDA氏が撮ったL.Aの彼は、丸坊主の頭に濃紫のニット帽を目深に被り、
アバクロの服に身を包み、何だか随分感じが違って見えた。
「at the BLACK HOLE」発表時に比べ、
すっきりと凛々しい顔になったように感じる。
BRIDGE誌にイエローモンキー解散について真摯に語る事でひとつ大きな枷を外した彼が
YOSHII LOVINSONとしての正念場2ndアルバム発表へ向ける心情を、
次号のJAPANに晒して欲しい。
凄く期待している。

昨日届いたYLOFCの月刊エッセイNo.4はアートディレクターの福士昌明さんのお話だった。
「TALI」のPVの事が書かれていた。
吉井が9・11のテロ事件をきっかけにあの曲を作り、福士さんは福士さんで
9・11で想起された線画を作っていた。
PVを線画で、という話が持ち上がりこれを持って行ったところ、すんなりと事が進んだ。物を作る上でこんなにぴったりと感性が惹き合うというのは
本当に素晴らしいものなのだねえ。
政治的制約の為に削らなければ為らなかったシーンが幾つかあるというのが
とても惜しい。
『ツインタワーに飛行機が突っ込んで崩れていくシーンと爆弾が木に変わるシーン、
ボタンを押す指が女の人に変わるシーンで実はボタンの上にはPUSH(プッシュ)って
書いてあるんだけど、本当はBUSH(ブッシュ)だったり、それと最後の方に出てくる変なキャラクターの大きいのが小さいのを飲み込むところがあって、
その後その大きなキャラはアメリカ大陸に変わるシーン』だそうだ。
でもあの飛行機が飛ぶシーンで9・11事件は容易に連想できたし、
あのPUSHも意味深だった。
大きいのが小さいのを飲み込むシーンも、大国が(権力をカサに着て)
弱いものを呑み込むという力の構図だと感じたよ。
政治的制約に阻まれて全部は描き切れなかったんだろうけれど、
あのPVで9.11を連想し、あのPVに込められた意味を感じ取った人は多かった
に違いない。

『結局吉井さんも僕も満足の出来る作品があがったので良かったです』
『自分の在処を常に時代に乗ったところに置いていると言う事』
福士昌明さんという素晴らしい方との作業、MITCH・IKEDAさんとの
写真の作業、そして古河氏がレポートしているドラムのジョシュ・フリーズ
との作業、吉井は今、最上の仕事に打ち込んでいるのだろう。
出来栄えが凄まじい事になりそうで、期待が高まって仕方ないね。






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