少しだけ赤裸々に - 2003年10月06日(月) 『TALI』の歌詞について、私なりに感じた事を纏めておこうと思う。 まず、吉井和哉のソロが「YOSHII LOVINSON」名義で行なわれると 知った時、LOVIN(の息子)SON(きっと息子が出来て嬉しいんだろうな〜。)とか、MICK RONSONのSONも掛けているのだろうと思っていた。 試聴会で『TALI』の前半が流れた時 “育子 BABY I LOVE”の部分は、“IF IT GOES”もしくは”IF YOU GO”かと思っていた。 だから、雑誌に歌詞が載った時は凄まじい衝撃を受けた。 「育子」は人の名前だったのか、と。 けれど曲を聴くうちに「育子」は固有名詞ではなく、子を育むということ、曲の主人公が愛するのは「育子」ではなく「BABY」の方ではないかと、 感じるようになった。 何故なら、“結婚しようよBABY”と歌っているにも関わらず、 “いつもふたりで”と訴えているにも関わらず、私にはこの歌の情景に 主人公以外の人の姿が感じられないからだ。 『TALI-seaside mix』の方がそれは顕著なのだが、こちらは、 波打ち際にただ独り主人公が佇んでいる深い寂寥感が漂っているように思う。「育子」は、生身を持つ人間では無いのではなかろうか。 主人公・・・おそらく吉井和哉という個人を色濃く投影されているだろう 人間の中に大切に抱き締めている愛の象徴とか、 もっと言えば「音楽への熱情」とか、そういう形のないモノのような 気がしている。 その場合、「BABY」は、吉井和哉の作り出す音楽そのものだという 見方も出来るのではなかろうか。 一方、「育子」は、吉井の中にいる幻の女・・・二重人格としてずっとそばに寄り添って生きてきた女性ではないか、という意見を頂いた。 これはメカラウロコだった。PVを見て「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」の冒頭アニメ「愛の起源」とシンクロした意味が良く判る。 「育子」の意味、「YOSHII LOVINSON」に込められた意味・・・ 吉井さん本人に詳しく語って貰わない事には、我々にはただ惑う事しか 出来ないけれど、こうやって歌詞の意味を、「ああでもない、こうでもない」と想像して熱くなれるのは、THE YELLOW MONKEYファンならではの 楽しみだと思う。 ソロデビューと言うのに、TV出演はおろか音楽雑誌のインタヴュー記事も無し、というミステリアスな新人さんだけど、アルバム完成の暁には、 ロッキンオンの山崎洋一郎氏、渋谷御大に出張って頂いて、 ぎゅうぎゅう吉井LOVINSONさんに迫って貰いたい。
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