2004年05月18日(火) |
コンサートに通っていた効果 |
ショパンのバラード4番を、今弾いているのですが、これ、やっぱりすごい曲だわ。 バラードは、高校生のときからよく弾いていて、1番から4番まで、いろいろな思い出があるのだけど、特に4番は今まで何度も弾かせてもらう機会があり、そのたびに違った発見をする。
特に、ドイツに来てから私がいろんな点で変わった、ということもあり、約3年ぶりに弾くバラ4は、もう、驚きの連続。 こんな和音を使っていたのか・・・!! バスでこんな音が響き続けていたのか、内声部でこんな事をやっていたのか・・!! このパッセージは、こんな役割をしていたのか・・・!! と、たくさん発見があって、おもしろい。
技術的にも難易度が高い4番。 昔は、弾くので精一杯で、全体像が見えていなかったんだなー。 今、わりとあっさりと、難しい部分を弾けるようになって(まだ完璧ではないけれど)、なんだか曲と自分との間に、ちゃんと距離を取れるようになっている自分に気がつく。 そりゃ、この数年で、同じショパンでもソナタを弾いたり、シューマンの大曲を弾いたりしてれば、10分前後のバラ4に対して、余裕が出てくるのも当たり前といえば当たり前なんだけど、 いやいや、本当に、私、ちょっとは上手くなってきてるのねー。うふ。
いや、上手くなってきた、というわけではなく、 多分、「聴き方」が変わったのだと思う。 和声に対して敏感になろうと努力したり、曲の構成を頭と身体とでちゃんと理解しようとしたり、 そういうのって、昔から言われていたことではあるけど、実際たくさんのよい演奏に触れないとわかんない事だからなー。 ベルリンにいて、たくさん、コンサートを聴いて、 自分なりの、「いい」コンサートと、「悪い」コンサートの区別が、ちゃんとしっかりつくようになって、 なにが自分の目指す理想の音楽なのか、自分自身でイメージできる、その判断力が身に付いてきたからだと思う。 自分の「好み」が、はっきりしてきたというか。
そして、そのための練習方法も、なんとなく、つかみつつある。 まだまだ、自分を律するのは大変ですけどね。
こう弾きたい、ああ弾きたい、というのを、ゆるぎない自信を持って言えるようになってきたこと。 技術がどうとかよりも、そういうことを、人に教えられたからではなく、自分の内側から主張できるようになってきているだけでも、 ベルリンに3年いたかいはあったと思う。 まだあと一年以上いるんですけどね(笑)。
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