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2008年05月06日(火) ■ |
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「ビッグサンダー・マウンテンの列に並んだのに、身長が足りなくて乗れなかった子どもと両親」へのディズニー・ワールドの対応 |
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『ディズニーが教える お客様を感動させる最高の方法』(ディズニー・インスティチュート著・月沢李歌子訳・日本経済新聞社)より。
【子どもは何歳になってもディズニー・ワールドが大好きだ。しかし、パークの施設すべてが小さな子どものニーズに合わせてデザインされているわけではない。アトラクションのなかには、小さな子どもには刺激が強すぎるものもあるし、つまらないものもある。小さな子どもを連れたゲストは、大人のゲストや年長の子どもとは違った不安やニーズを抱えている。こうした不安に気づくことが、子どもの視点からサービス・プロセスを構築することにつながる。 たとえば、家族といっしょにビッグサンダー・マウンテンの列に並んだのに、身長が足りなくてライドに乗れなかった子は、どんなにがっかりするだろうか。そして、両親はどうするだろうか。子どもだけを残してふたりで乗るのか、それとも最初にひとりが乗り、次にもうひとりが乗るために、もう一度、列に並び直すのだろうか。この問題に対応するためのプロセスがある。まず、両親のうちのひとりが子どもといっしょに残り、もうひとりはライドに乗って、ライドが戻ってきたら待っていた親がすぐにライドに乗れる、というものだ。では、ライドに乗れなかった子どもはどうするのか。子どもは、身長がライドに乗れる高さになったときに、待ち時間なしで乗れることを約束した証明書をキャストからもらうのである。 エプコットのワールド・ショーケースでは、子どもが退屈しないように、キッドコットが用意されている。キッドコットは、年少の子どものためにそれぞれのパビリオンにつくられた乗り物や遊びである。さらに、それぞれの国のパビリオンを訪れて発見したことを書き込むことができる小冊子が、子ども全員に渡される。 また、買い物に飽きてしまう子どものために、ダウンタウン・ディズニーのマーケットプレイスでは、ショップからショップへと移動しながら集めることができるステッカーとステッカーブックを渡して退屈をまぎらせるようにしている。 このように、平均的な顧客像にあてはまらないゲストのためのサービス・アテンションは、特殊なニーズをもつゲストや、その同伴者の経験を強化するのに役立つのだ。】
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この「家族いっしょにビッグサンダー・マウンテンの列に並んだのに、子どもの身長が安全基準を満たさなかったために乗れない場合の対応」は、アメリカ・フロリダ州のディズニー・ワールドでのものなので、日本の東京ディズニーランドや他国でも同じ対応なのかどうかはわかりません。たぶん、同じ対応をしてくれるのだろうな、とは思うのですが。
しかし、あらためて考えてみると、こういう対応って、答えを教えられると、「そんなふうにすればいいのか」というくらいのものですが、実際にその「解答」を見つけ出し、マニュアル化するというのは、けっして簡単なことではないでしょう。 実際にディズニーランドに行ったことがある方はご存知だと思いますが、ディズニーランドのアトラクションは、入り口のところに「身長制限(これより身長が低いお子様はこのアトラクションには乗れません)」というのが、かなり大きく示されています。おそらく、大部分の小さな子どもを連れた家族は、それを見て「乗れないから並ばない」と自分たちで判断しているはずです。 つまり、この例に挙げられている「家族といっしょにビッグサンダー・マウンテンの列に並んだのに、身長が足りなくてライドに乗れなかった子」というのは、スタッフにとっては、「想定外のゲスト」なのです。「入り口にあんなに大きく書いてあったじゃないですか。危ないから乗せられませんよ。ご両親がどうされるかは、自分たちで判断してください」というふうに対応されても、文句を言われる筋合いはないはずです。「じゃあ、子どもは預かりますから、ご両親は乗ってきてください」くらいでも、かなり「良心的」に思われます。 ところが、ディズニーのすごいところは、「両親が待たずに乗れるようにする」のと同時に、「子どもをひとりにして淋しい思いをさせないこと」、そして、「今回乗れなかった子どもにも、『乗れるくらい大きくなったら待たずに乗れる証明書』をあげる」という、「子どもの目線から見たサービス」を徹底しているところなんですよね。子どもからすれば、「自分を置き去りにして、両親がアトラクションに乗っている光景」というのは、けっして良い記憶にはならないでしょうから。
それにしても、「注意書きを無視して乗ろうとしている招かれざる客」なのに、ここまでサービスしてしまうなんて。 ちょっと「過保護」なんじゃないかとも思うのですが、ここまでやってみせるのが「夢の国の流儀」だということなのでしょうね。
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