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2007年05月20日(日)
「妻だけが親友」という男たち

「週刊SPA!2007/4/17日号」(扶桑社)の特集記事「親友はいますか?大調査〜会社員300人アンケート」より。

【「親友? 仕事が忙しくて友達とゆっくり語り合う時間なんてない。休日は接待と家族サービスで手いっぱい。何でも腹を割って話せる相手と言ったら、嫁かな」
 と語る阪田芳明さん(仮名・29歳)は、結婚半年目のMR。仕事は外回りなので同僚との絡みも少ない。地元・静岡の学生時代は親友と呼べる仲間もいたが、「無理して会っても、多分もう話も合わないだろうし。思い出のままでいい」と語る。それよりも、自分の一番の理解者である妻こそが”親友”なのだという。
 親友というと、男同士のアツい友情をイメージしがちだが、今回の取材で、実は彼のような「妻が親友」男が多々いることを発見した。
 交際5年、結婚5年目を迎えるSEの山根英紀さん(仮名・31歳)も、「嫁とは結婚前から恋人同士というよりも親友っぽい関係で。息子が生まれてからはさらに”戦友”って感じ」だと言う。父親が転勤族だったので「地元の友」がおらず、学生時代の友達も疎遠になったり、仕事や子育てに忙しいため、冠婚葬祭以外で会うことはない。職業柄、時間外労働も多く、せめて休日のうち一日は家族と過ごせる時間をつくるのに精いっぱいなのだ。それでも、「職場と家庭以外に親しい人をつくる気力はない」とは侘しい。
 確かに、人生の伴侶は相棒でもあり、親友的な要素も含んでいるのだろう。だがそもそも、妻が親友であることと、親友が妻であることとは、似て非なるものである。
「妻は親友だ」と言う彼らの共通点を探ってみると、(1)仕事がハード (2)地方出身者が多い (3)職場の人間関係が希薄 (4)人付き合いのマメさ、アツさに欠ける (5)プライドが高い (6)妻とは対等な関係、などが挙げられる。
 勝者に勤める浅川俊也さん(仮名・32歳)は東京出身だが、まさにその典型。交際10余年を経て昨年入籍した、似た者同士の友達夫婦。遊び友達は多いほうだが、「カッコつけなので悩みを打ち明けたり、弱音を吐くのは妻にだけ。親友と呼べるのは彼女だけかも」と言う。
 親友とは、居心地のよさだけでなく、時にはお互いにぶつかり、切磋琢磨するようなものではなかったのか、と結婚後の男たちが心配になるのであった……。】

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 この記事を書いた人は、「親友=妻」という男性に否定的な見解のようなのですが、僕はこれを読んでいて、「この記事、僕のこと?」と、ものすごく身につまされてしまいました。ここで挙げられている(1)〜(6)の「共通点」にも、ことごとく当てはまっていますしね。
 まあ、夫婦仲が悪かったり、お互いに口もきかないよりははるかに良さそうな気はするのですが、その一方で、僕自身もこういう状態に危機感を抱いていないわけではないのです。いつも一緒に出かけたり遊んだりするのが妻だという場合、もしその妻に何かがあった場合、そして、妻の気持ちが自分から離れてしまった場合、「妻と唯一の親友を同時に失ってしまう」わけですよね。村上春樹の小説に、「浮気の理由に友達を使うな。浮気で妻を失うのは致し方ないことだが、一緒に親友まで失うことはない」というようなセリフが出てきます。確かに、その2つを一度に失ってしまうのは、人生において、あまりにダメージが大きすぎる。
 僕はいままでたくさんの夫婦を見てきているのですが、どんなに仲が良い夫婦であっても、そして、どちらかが浮気をしているわけではなくても、うまくいかなくなってしまう場合というのも、けっして少なくはないのです。 むしろ、お互いに一生懸命やろうとすればするほど、すれ違ってしまうときもあるんですよね。
 ただ、だからといって仕事が忙しい30男に「もしものための保険として同性の親友をつくる」なんてことができるわけがないし、そもそも、そんな存在は「親友」とは言いがたいでしょう。結局、どうしていいのかわからないまま、今の状態をなるべくキープしていくしかないのかもしれません。

 それにしても、もしこれを読んだら、この男性たちの「妻=親友」は、いったいどんなふうに思うのでしょうか。「そこまで私を頼りにしてくれるなんて……」と喜ぶのか、「それはあまりに私に頼りすぎなんじゃない?」と不安になるのか……
 僕のイメージでは、あまり「夫が親友」っていう女性はいないような気がするのですけど、女性のほうが「親友」に恵まれている人が多いのでしょうか?