|
|
2006年05月04日(木) ■ |
|
誰でも魅力的に生きられるものですか? |
|
「ダカーポ・583号」(マガジンハウス)の特集記事「『魅力』の正体を知る!自分を魅力的にする!」より。
(演出家・鴻上尚史さんに聞く「誰でも魅力的に生きられるものですか?」)
【聞き手:つまり、その人のもつ華というのは、ほとんど持って生まれたものなのですか?
鴻上:それもなんとも言えないですけどね。そんなえたいの知れないものを欲しがるよりも、華とまでは言えないかもしれないけれど、今ある自分をさらに魅力的に見せることを考えたほうがいいと思います。あの人に会いたい。あの人と話をしたい。そんなふうに多くの人に思われる存在になることはできる。 魅力的な存在になるにはいろいろな要素があると思いますが、最も分かりやすいのは、周囲に元気を与える人でしょうね。ポジティブな何かをくれる相手と、人は会いたがり、話をしたがる。それは別に現実的なアドバイスをくれるという意味ではありません。会って話すだけで元気になれる。そういう対象です。見渡せば、誰も周りにも思い当たる人はいると思いますよ。それが、魅力ある人だと思います。逆に、いつも愚痴を言っていたり、境遇を嘆いたりするネガティブな人には、できるだけ会いたくはないでしょ?
聞き手:自分をより魅力的に見せるには、鴻上さんによると小さな”演出”を行うと効果的だ。】
〜〜〜〜〜〜〜
鴻上さんは、このあと「魅力的になるためのポイント」として (1)感情を演出する (2)声を演出する (3)体を演出する (4)言葉を演出する という4つのポイントを挙げておられます。「演出」とはいってもそんなに難しいことではなくて、「小さな喜び(ごはんが美味しかったとか、電車でカッコいい人を見たとか)を自分の中にいつも持つようにしましょう」とか、「街で見かけた『動きが素敵な人』のマネをしてみましょう」とか、ほんとうに、すぐにでもできることばかりです。とはいえ、実際にやるとなると、なんとなく「そういうんは自分の流儀じゃない」というような、妙なプライドにとらわれたりもしてしまいがちなのですけど。
「華のある魅力的な役者の作り方は、僕にもよくわかりません」と鴻上さんは仰っています。でも、普通の人の日常生活レベルで、「周囲の人が思わず話しかけたくなる」くらいの「魅力」であれば、努力すれば身につけることは不可能ではないみたいです。確かに、この鴻上さんの話を読んでみると、「魅力的な人」っていうのは、そんなに複雑怪奇な存在ではなく、むしろ、「自分を元気にしてくれる人」のことが多いのですよね。 「カッコいい人」というのは、もちろん「魅力的」ではありますが、外見にかかわりなく(そりゃあ、最低限の「清潔感」は必要でしょうけど)、「自分にとってプラスになる人」というのは、やっぱり魅力的なのです。そして、「現実的なアドバイス」よりも、そういう人に話を聞いてもらうだけのほうが、かえっていい結果を生むこともありますよね。 どんなに賢明でも、愚痴っぽくて誰かの文句ばっかり言っているような人と話すのって、どうしても苦痛ですし。 いや、そんなふうに愚痴ばかり言っている人って、本人は「自分は正しいことを言っている」と思いがちだったりするので、よけい、周りは敬遠してしまいがちだし。
このインタビューの最後で、鴻上さんは、こんなふうに仰っています。 【ところで、自己演出を行うときに忘れないでほしいことがあります。それは、他人の目を意識しすぎないこと。自己演出は、必ずしも人に好かれたいから行うものではないはずです。自分自身がうきうきした気持ちで過ごせれば、それが自然に魅力につながっていく。だから、自分がすてきだと思える自分を目指す方向に自己演出したほうが、より魅力的になれるはずだし、楽しいと思いますよ。】
結局、いちばん大事なのは、「自分が楽しく生きること」だということみたいです。それが、いちばん難しいことなのかもしれないけれど。
|
|