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2004年06月01日(火) ■ |
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「健康的な人たち」を支える「不健康」 |
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日刊スポーツの記事より。
【女子ホッケー日本代表にビッグボーナスが飛び出した。日本ホッケー協会は5月31日、都内でアテネ五輪代表16選手と日本マクドナルド株式会社との2年間のスポンサー契約(推定1000万円)締結を発表した。全国3800店舗のマクドナルドに勤務する約13万人の店員が制服に応援バッチをつけ、サポーターになるという。そして選手が何より喜んだのは…。 今後2年間、マクドナルドで「食べ放題」の特権が与えられた。代表選手には顔写真入りメンバーズカードが送られ、全国どこでも自由に食事できる。いつもは厳しい表情の三浦主将も「てりやきマックバーガーが大好き。五輪まではヘルシーに我慢しますが、終わったら毎日行くかも」。副将の森本は「遠征先でも行ける。マクドナルドの全国制覇を目指します」と興奮を隠せなかった。 女子ホッケーといえば従来の年間強化費は約2000万円。サッカーの180分の1の額。遠征もままならず、ホテル代わりに大学の寮に宿泊していた。強化費ねん出の募金まで始めていた。だが今月から遠征での自己負担も消え、すべてが代わりつつある。】
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女子ホッケー日本代表の選手の皆様、おめでとうございます。あれだけ日夜努力しているのに、手弁当で遠征とかされていたわけですから、この1000万円のマクドナルドからのスポンサー契約は、非常に嬉しいことでしょうね。せっかく日本代表になったのに、マイナー競技であるばっかりに、自ら募金活動ではちょっとかわいそうですから。 もっとも、世界には強化資金を集めるためにヌード写真集を出したケースもありますから、「マイナー競技にとりつかれてしまった人々」というのは、その競技のためなら苦難を厭わなくなっていくのかもしれません。 逆に、バスケットボールのNBA選手を集めた「ドリームチーム」なんて、同じ「オリンピックに出場する選手」でも最高級ホテルに宿泊して、超一流シェフを連れてきていたりするわけですから、「お金になる競技かどうか?」で、同じオリンピック種目、同じメダルでもかなりの差があるような気もします。 だからこそ、こうやって同じフィールドに立てる「オリンピック」というのは、価値があるものなのかもしれませんが。
それにしても、女子ホッケーの年間強化費が年間2000万円で、サッカーがその180倍、というのは凄い格差ですよね。もちろん、競技人口が少ない分だけ、オリンピックへの道は「広き門」にはなるのかもしれないけど、ここまで待遇が違うと思うと、やっぱり情が移るしなあ。
マクドナルドとしては、年間1000万円のスポンサー契約というのは、けっして「ものすごい金額」ではないと思います。あれだけ日頃からテレビでCMを流している会社ですから、宣伝広告費はその100倍くらいはあるのではないでしょうか? でも、そんな「ちょっとした善意」というくらいの金額で、女子ホッケーの選手たちは大助かりだし、メダルにでも手が届けばマクドナルドも万々歳でしょう。ひょっとしたら、こうして「マクドナルドがスポンサーになった!」と報道されている時点で、十分元は取ってたりもするのかも。
しかし、こうして考えてみると、「健康」の象徴のようなスポーツ界をスポンサーとして支えている企業の多くは、酒やタバコやファーストフードといった「あまり健康的でない嗜好品の業界」なんですよね。 「五輪まではヘルシーにガマンする」っていう主将のコメントは、裏を返せば「マックはヘルシーじゃない」ということだから。
とすると、このコメントはマズイような…
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