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2004年03月04日(木)
市井紗耶香、その間違いだらけの人生

日刊スポーツの記事より。

【元「モーニング娘。」で芸能界を引退した市井紗耶香(さやか)さん(20)が妊娠5カ月であることが1日、分かった。2日発売の写真週刊誌「フラッシュ」が報じており、相手は「市井紗耶香 in CUBIC−CROSS」のメンバーだったギタリストの吉沢直樹(28)。モー娘出身者からは真矢と結婚した石黒彩に続いて2人目の“お母さん”となる。
 同誌には吉沢が都内のマンションを引き払い、千葉にある市井の実家に引っ越しをする2人の写真などが掲載されている。入籍はこれからになるという。
 市井は98年5月のオーディションに合格し、モー娘入り。「プッチモニ」などで活躍し、安倍なつみ、後藤真希らと並ぶ人気を誇ったが、00年5月に「シンガー・ソングライターの勉強をするために」とグループを卒業。その後、ユニット「市井紗耶香−」として再デビューしたが、昨年11月にホームページで「私は自分のなりたいもの、自分の幸せのもっとを探しに行きます」と引退を発表した。】

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 いや、御本人は幸せなんでしょうけど…
 4年前に、「プッチモニ」などでモーニング娘。のなかでも人気絶頂だった市井紗耶香さんの脱退には、みんなビックリしたものです。せっかくこんなに人気が出てきたのに、どうして今辞めちゃうの?というのが、とくにモー娘。のファンでもない僕の実感でした。傍からみれば、ちょうど「旬」の時期でしたし。まあ、それはそれで彼女なりの人生設計みたいなものがあるのかな、とも思ったのですが。「シンガーソングライターになるための勉強をしたい」という理由については、それなら、今の立場を利用して、そのままソロになったほうがいいのにな、という気はしましたけど。あるいは、仕事が忙しすぎて体調を崩したり、他のメンバーといまくいかなくなったのかな、などと勘繰ったりも。

 しかし、「しっかり勉強して」と言ったわりには脱退後1年半で「市井紗耶香 in CUBIC−CROSS」として復帰、そして、復帰後は、プロモーションのやり方が悪かったのか曲に恵まれなかったのか、モーニング娘。脱退時の人気はどこへやら、ほとんど「鳴かず飛ばず」という感じで、ヒット曲もないままの今回の引退→妊娠・結婚となったわけです。本当は、妊娠→引退・結婚なのかもしれませんが。
 でもまあ、「市井紗耶香 in CUBIC−CROSS」の曲を聴いた時点で、「これは売れないだろうなあ…」と思った人は多かったと思うんですけどね。

 市井さんの人生は、傍からみたら、まさに「自分の道を行こうとして、間違った選択肢を選び続けた人生」だったような気がします。例えば、あのとき辛抱して、モーニング娘。のメンバーを続けていたら…とか、再デビューも、どうせならもっと待望論があった早い時期か、本当に勉強してからにするか、あるいは、もっと時代や彼女のキャラクターに合ったプロデュースをしてもらっていたらどうか…なんて。そのミスチョイスっぷりには、同情すら感じてしまうくらいです。
 結婚相手の28歳のギタリストも、「その年になって、20歳の妻の実家にお引越しかよ…」と頼りない印象ですし(何か事情があるのかもしれませんが)。広末さんと同じ、若くしての妊娠・結婚にしても、売れてないだけに、なおさら悲喜劇の感もあり。
 
 結局、「彼女のなりたかったもの」は、「お嫁さん」であり、「お母さん」だった、ということなのでしょうか?
 たぶん、本当は違っていたのだと思います。まあ、そういう人生もあり、だとは思いますけどね。

 写真週刊誌の取材に、市井さんは「後悔していません。とても幸せ」と答えたそうです。でも、それって「周りの人は後悔していると思っているんじゃないかな」と彼女も感じていることの裏返し。「相手を厳選して」代議士や教祖や若手実業家の妻になる人もいれば、傍からみたら「どうしてそっちの方向に行くの?」と不思議がられながら、若くして「普通の母親」になってしまう人もいる。
 市井紗耶香って、結局、なんだったのだろう…とか、つい僕は思ってしまうのですけど、本当は、そういうのが「あたりまえの人生」なのかもしれませんね。その場その場では、彼女なりの「ベストの選択」をしてきているはずでしょうし。
 自分や周りの人の人生って、多かれ少なかれ「市井紗耶香的」なんですよね、きっと。「正しい」「自分の道」と自分では思いこんでいる、他人から観たら間違いだらけの人生。
 誰でも、他人の人生はわかったような気になって「あのときああしていれば良かったのに、バカだなあ」なんて、言ってしまうものだけれど。