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2002年03月28日(木)
2002年3月28日。

朝日新聞WEB版の記事より抜粋。

【栃木県黒磯市の市立黒磯北中で98年、女性教諭が1年の男子生徒にナイフで刺されて死亡した事件で、遺族が同市と男子生徒の両親を相手取り、計約1億3800万円の損害賠償を求めた訴訟は27日、宇都宮地裁(羽田弘裁判長)で市との和解が成立した。市は、一般論として、「わが国の学校教育現場において教師が生徒の暴力により、生命、身体の安全を脅かされる危険に直面しうる状況が存在する」と認めた。その上で▽子どもの暴力に対し、教師に正当防衛を認める▽学校の各教室に非常ベルを設置し、教職員にも携帯の防犯ブザーを配備する▽子どもの所持品検査に関する基準をつくる−−などの具体策を示した。少年法改正の大きな契機となったこの事件は、学校現場に教師の「自衛策」を徹底させる結果をもたらした。】

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なんとも哀しい話。この記事を読んで、暗澹とした気持ちになった人も多いはずです。果たして、そこまでして「義務教育」を行っていく必要性があるのだろうか?と僕は思いました。確かに、アメリカでは銃を持った警備員がいる学校は全然めずらしくないということではありますが。
もう、学校に来たくない、もしくは来ることによって他人が危険にさらされるような生徒は、教育を受ける権利がないのではないか、という気がします。
生徒が怖い、何を考えてるかわからない、という不安は、先生たちからよく耳にします。ましてや、この事件のようにちょっと注意しただけで、刺されるような状況では、先生たちも警備員を従え、防弾チョッキを羽織り、マシンガンを抱えて教壇に登らなくてはならないのではないかと。
刺されそうになったら、刺し返すのも正当防衛にはちがいありませんから。
とくに、この哀しい事件のように、若い女性の先生にとっては、高校生くらいなら、相手のほうが力が強いことも充分ありえるわけで。

でも、あえて言います。先生たち、がんばってください!
教師という仕事は、ほんとにやりがいがある仕事だと思いますし、尊い仕事だと思いますよ。マスコミにはさんざん叩かれているけれど、いい先生、たくさんいると思うのです。予備校のカリスマ講師のほうが尊敬されてるなんて報道されてますが、あの人たちは、受験勉強のプロとして敬われているのであり、また、ほんとにカリスマ講師として尊敬されているのは、予備校講師なのかのごくごく一握りです。
普通の学生生活を送ってきた人間にとっては、心に残る先生って、たぶんいるだろうと思うのです。人格的な影響も受けているでしょう。
こんな時代だからこそ、熱意と理性と愛情を持った先生が必要なのです。人間って「教育」を受けないと実際のところ学ぶことの面白さや意義を理解できないと思うから。

教師という仕事は危険です。いや、古来から危険なものでした。他人にものを教えるというのは、人格に影響を及ぼしていくことだから。歴史に影響をおよぼしてきた「先生」たち、非業に倒れた「先生」たちが、いかに多いことか。
先生は、本来命がけの仕事だと、僕は思ってます。
だからこそ、もっとプライドを持って仕事をしてもらいたいし、周りももっと先生を尊重してあげてもいいんじゃないでしょうか。
変な手錠教師とかを興味本位に報道するばっかりじゃなくてさ。
大部分の先生と生徒たちは、警備員や防犯ベルに囲まれて、お互いにビクビクしながら過ごす学校生活なんて、イヤだと思ってるに違いないです。

でも、こういった事件について考える時、はたしてすべての子供に学校で教育を受けさせることが妥当なのかどうか、やっぱり疑問にはなりますね…