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2002年03月05日(火)
2002年3月5日。

群ようこの対談集「驚典」(講談社文庫)
古書店主の作家、出久根達郎氏との対談より抜粋。

出久根氏の「多くの女性は、人の読んだものということで、古本を非常に嫌がるわなんですが、そのへん、どうなんでしょうか?」との問いに答えて。

群「私も友達に『そんな誰が読んだかわからない古本屋さんの本なんて、汚い』って言われて、釈然としないわけですよ。私も汚いって言われてるみたいで(笑)。
もしかしたら、そういう人たちは自分が汚い読み方をしてるんじゃないかと思ったりしたんです。自分がちゃんときれいな読み方をしていれば、誰が読んでも汚いって感覚はないんじゃないか、と思いますけどね。

〜〜〜〜〜〜〜
最近は、ブックオフのような、明るい雰囲気の古本屋がたくさんできたため、以前ほど「古本」に対する抵抗感はなくなってきているような気はします。なんといっても、安いしね。
でも、僕の中には、やっぱり大好きなものは新刊書店で、という気持ちがあるわけです。それはやっぱり、「本が綺麗だから」とかそういうことになるんでしょうかねえ。内容は古本屋で買っても一緒なんだろうけど。
まあ、実際に古本というのはページが黄ばんでたり、カビ臭かったりすることもあるわけで、「汚い」という概念も、間違ってはいないと思います。
それでは、中身が汚くなるわけではない、CDやゲームはどうか?と言う話になると、それでも好きなものは新品を買ってしまいます、僕は。
パッケージはともかく、中のデータは同じ(CDなんか、多少の劣化はあるかもしれませんが、たぶん常人の耳では判別不可能)なんだから、客観的に考えると中古でもいいような気はしますが。

では、何故新品なのか?と考えると、もちろん、その作者やアーティストを応援したいと言う気持ちもあるんですが、中古だと「自分のもの」っていう気持ちが、なんとなく希薄になるのです。「前の人は、どうしてこれ売っちゃたのかなあ?」とかよけいなことを考えたりして。他人の影を想像してしまう。
彼女の前の男のことを想像する気分、というところでしょうか。
だから、どうでもいい本やCDは、中古でも何の痛痒も感じないのだけれど。
結局、モノにも「処女性」を求めてるってことなのか。

新品も、自分が一度触ればもう中古なんだよ、もったいない。
そう僕に言ったのは、誰だったかな…