ぴよの映画めった斬りコーナー
ぴよが見た新作映画・ビデオ・DVDを個人的趣味でぶった斬るコーナー
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【ネタバレも含んでますので注意してねん♪】

2009年07月08日(水) MW−ムウ−

監督:岩本仁志
出演:玉木宏
    山田孝之
    石橋凌、他
オススメ度:☆☆☆−


【あらすじ】
「沖之真船島」で、一夜にして島民全員が惨殺されるという事件が発生。政府はこの事件を闇に葬るが、実は2人の少年が難から逃れてこの島を脱出していた。それから16年後、島の生き残り「賀来」は神父となり、そしてもう1人の生き残り「結城」は優秀な銀行員という表の顔を持ちつつも、人を殺す事をも厭わない凶悪なモンスターとなっていた。16年前の事件の後遺症に悩まされる結城は、復讐を益々エスカレートさせていく。賀来は結城の凶行を止めさせたいのだが・・・


【感想】
手塚治虫氏原作の同名タイトルコミックを映画化。
手塚氏のコミックはかーなーりー好きで読んでる方だとは思うのですが、実は本作のコミックは未見です。
そんな訳で敢えて前知識を全く入れないように心掛けて鑑賞。どうせ見るなら映画として楽しみたいしね♪

映画冒頭、バンコクで結城が身代金誘拐事件を起こすトコロから始まるのですが、有り得ない展開のオンパレード!
「コレで捕まらなかったら、世界中の誘拐事件の犯人は全員逃げ果せるな」とツッコミどころ満載の展開なんですが、意外な事に結構楽しんで見れましたね・・・玉木君のセミヌードなんか特に♪←阿呆

どう展開していくかこの段階では判らないからそれなりにハラハラしながら見てたんですが、結果的に言うとこの前フリ?の誘拐事件シーンは長過ぎですわね。身代金の受け渡しのオチも陳腐だし、その後の石橋凌さん演じる沢木刑事がメタボな体を揺さぶりつつ追い掛けるシーンは、手に汗握るというよりも「おっさん、心臓止まっちまうんぢゃねーか!?」とハラハラさせられたりして・・・ハラハラするツボが微妙にズレてるぞ、をい(^-^;

でもタイトルの「ムウ」とは何ぞや?という核心に迫る辺りまでは結構ワクドキして楽しめたんですよ。
そもそも、16年前に起こった事件というのは何だったのか?それをどうして同じ島出身の政治家や財界人が中心になって揉み消そうとしていたのか?通常なら自分の故郷の島が惨殺事件の舞台になったなら、とことん真相を突き止めて糾弾したいと思うのが筋ではないのか?
結城は何故同じ島出身の人間を殺して回るのか?賀来は何故情けない顔をするだけで結城の犯罪を止めようとしないばかりか、自分も犯罪の片棒を担いでしまうのか?

自分の中で疑問に思う項目を消し込みしつつ鑑賞するので、色々推理したり推測したりして楽しいんです。

原作では結城と賀来は同性愛の関係であるとはっきり表現しているそうですね。
でも映画では確かにそれらしく匂わせてはいるものの、かなりソフトな表現なので気付かない人もいるのでは?ここはもっと直接的に判りやすくドカーンと絵で見せて欲しかったかなーと。
いや、その、玉木君と山田君の「きゃ〜♪」なシーンが見たい!って訳じゃなくて(それもあるけど←をい)、映画をツラーっと見るだけでは「賀来はあの事件の際に結城に命を助けてもらったから、結城に強く出れない」という風にしか受け取れないし、要するに2人の関係性が薄っぺらく感じて、賀来がただの意気地なしにしか見えないと言うのか。

壮大な原作を数時間の映画にまとめてしまうのにムリがあった、と言われたらその通りなのかもしれないけど、どうも原作の世界観が生かし切れてないのではないか?(未読だから正直なトコロは判らないが)という気がしてならないです。
だから上にも書いたけど、主人公2人の関係性も薄っぺらく感じれば、16年前の事件の真相も薄っぺらく感じる。いとも簡単に島に上陸してお目当てのモノを見つけてしまうし、有り得ない位簡単に米軍基地内に潜入し、更に最重要且つ厳重保管物であろうブツにも手が届いてしまう。

途中までは「どーなるの?どーなってるの?」とワクドキしながら楽しめた割りに、話が進むとどんどん尻すぼみ。
だから後になって考えると「最初のタイのシーン、ムダに長くスタントシーンやってる位ならクライマックス丁寧に描けや」という感想になってしまう訳ですよ(苦笑)

でも役者さんの演技はなかなか見応えありましたよ。
玉木君が美しくも冷酷な殺人鬼を演じていますが、もうこの人の声にはシビれるわー♪

それから本作、かなり豪華な役者さんを布陣していると思うのですが、豪華な役者がバンバン無駄死にしていくのが個人的にはすごく意外で楽しめた・・・いや、映画も見慣れるとヒネくれた見方をするようになるんですよね。
「この役者が使われてるという事は、コイツが真相を明らかにして最終的にヒーローになる役回りかな?」みたいな、役者の名前で後の展開を考えちゃうというのかな、そういう「観客のいやらしい考え」をバッサリぶった切ってくれて、気持ちいい位アッサリと無駄死にさせてる辺りは「すげーなー」と妙に感心してしまいましたわ(^-^;

そんな訳で、きっと本作の原作愛読者さんからは怒号の嵐が吹き荒れそうな(苦笑)
でも私は本作を見て「よし!原作コミック絶対に読むぞ」という気持ちになりましたよ。そう思わせてくれただけでも、手塚氏の描いた世界観の一端くらいは本作にも受け継がれていたのだろうと思います。思いたいです(^-^;








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