2009年06月17日(水) |
群青 愛が沈んだ海の色 |
監督:中川陽介 出演:長澤まさみ 佐々木蔵之助 福士誠治、他 オススメ度:☆+
【あらすじ】 沖縄の離島にやって来たピアニストの由起子と島の海人(うみんちゅ)・龍二は恋に落ち、2人は結婚し娘に恵まれ「涼子」と名付けた。だが由起子は涼子が幼い頃に亡くなってしまう。男手1つで育てた涼子はやがて美しい娘に成長し、島の幼馴染み一也と恋仲になるが、結婚を申し込みに行った一也に龍二は「いっぱしの海人になるまではダメだ」と突っぱねた。一也は龍二に認められようとサンゴを採りに海に潜るが、帰らぬ人となってしまう。
【感想】 宮木あや子氏著の同名タイトル小説を映画化。 この方、2006年にデビューしたばかりの新進気鋭の若手女流作家さんだそうですね。お名前すら知りませんでした(^-^; そんな訳で原作は当然未読です。まあ原作はどーでもいいでしょう(をい)、映画としては「長澤まさみちゃん主演最新作」という部分が大いにクローズアップされるだろうと思います。 特に長澤まさみちゃんのファンではありませんが、彼女可愛らしいですよね。でもうちの相方は「長澤まさみって男らしい顔だと思うけどなー。俺は断然蒼井優ちゃんが好き♪」と言っています・・・どうでもいい情報でしたね(苦笑)
沖縄、と言うか「八重山諸島」が大好きなので、「全編沖縄ロケ」というだけで期待値がドーン☆と跳ね上がるんですが
まー、かったるい。←いきなりかよっ(^-^; コレは脚本も演出もどうかと思うんですが・・・どうなんでしょう?コレ。 まあ、ココで聞かれても困るでしょうけどね、それにしてもただ延々とピアノ弾いてるシーンだったり、なんとなく島の様子を流し撮りした映像がBGMに乗せて映し出されているだけだったり。 まったりした雰囲気を見せたいのか?どうか判りませんが、テンポ悪いしシーンのカットの仕方も違和感あり過ぎですよ。
話は3段階になっていて、第一章が「涼子が生まれるまで(パパ・ママの恋愛編)」、第二章が「涼子の子供時代編」、そして最後の第三章になってようやく本作の予告編に出て来る「涼子と一也が恋に落ち、一也が亡くなってから編」 これを映画中でも本当に「第一章」「第二章」「第三章」と画面暗転させてわざわざ表示して話を区切ってるんです。 本を読んでいるなら当たり前の区切りかもしれませんが、映画でコレやられても余り感心しませんね。そもそも区切る意味が判らないし、うがった見方をすれば「話を上手く繋げられなくて章分けするしかなかったのか?」等と邪推したくなる。
最愛の恋人を亡くした涼子に、その父親もまた同じ苦しみを過去に背負っていたのだよ・・・という事が見せたかったんだろうと思うのですが、第一章の「パパ・ママの恋愛編」、コレ長過ぎです。 えれぇ〜長い割には龍二の妻に対するの深い愛だとか、喪った悲しみみたいな物が伝わってこない。ついでに言うと第二章の「涼子の子供時代編」もわざわざ章分けして見せる程のモノがまるでない。
通常だったら今の状態の涼子を最初から見せて、周囲のキャラの会話と回想シーン等を差し挟む事で人物背景を見せて行くのが王道だと思うのですが、逆に「王道で見せても面白くないから新しい試みをしよう!」という事なんですかね? 残念ながらこの試みは失敗してると思いますよ(をい)
肝心の「八重山諸島のこの美しさったらどーよ!?(ワクドキ)」な絵もねぇ・・・やたら空がくすんでるんですよ。 どうして長期ロケして撮影してるのに、わざわざこんなくすんだ色調なんでしょうか?タイトルになっている「群青」自体も決して「心に染みる云々」という物もなく、八重山諸島の美しさが全く伝わって来ないじゃないですか!(怒) この映画見て「やっぱり沖縄っていいなー。キレイだなー♪」とは到底思えませんって!!くっそー。
展開も想像の域を超えるものは何もないし、単調だし、溜息付きまくりだったんですが・・・ 唯一良かったのは福士誠治君かなー?フィルモグラフィを調べたら彼の出演している作品を何本か見ていたのですが、正直余り記憶になくて(すんませんっ!)、まあだから返って良かったのかもしれないですが、3人幼馴染みの中で1人蚊帳の外になってしまった、しかも涼子に横恋慕しているという切ない設定なんですが、彼の苦悩する様子には正直「萌え」でした♪ 酒を飲んで自分の醜い心を曝け出すシーンにはちょっとウルッと来ましたね。
そんな訳で、福士君がいなかったらほとんど評価するトコロがなかったです。 「長澤まさみちゃんが新境地を開いた!」みたいな煽り文句も華々しいんですが・・・地味で暗い映画ですわ(^-^;
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